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ALS患者高野元の日常と思考と回想

新年にあたっての近況報告

   

あっという間に一年が過ぎ、2017になりました。昨年7月に父が亡くなったので、喪に服しております。

昨年もとても沢山の方に支えていただいて、ALS患者として一年を過ごしました。でも、4月以降ブログの更新ができず、Facebookの更新も滞り、一部の友人から心配されてしまいました。

そんな事情もあり、最近の状態と心情を書くことで新年のご挨拶に代えさせていただきます。

カラダの変化

全体に機能低下が進みまして、できないことがまた増えました。嚥下というか食べ物を飲み込む力が落ちて、一回の食事に1時間以上かかるようになり、4月に胃ろうを作りました。経管栄養主体になるかと心配でしたが、現在までミキサー食ではありますが口から食べられています。不足分を経管栄養で補うことで、体重もなんとか維持できています。

呼吸機能の低下もはじまり、肺活量が健常時の6割を切るようになりました。夏になる頃に血中酸素濃度の値が94%を切るようになり、気管切開での人工呼吸器の装着を意識し始めました。同時に呼吸筋のリハビリに真面目に取り組んだところ、数値が97%まで回復したので様子を見ていますが、今年のどこかで決断することになりそうです。

アウトプットできないイライラ

手の機能低下も進み、キーボードでまとまった文を入力するのが、とても大変になりました。アウトプットできなくなることの精神的ダメージは大きく、ブログが書けなくなったのはこれが原因でした。スイッチ入力などの手段を試していますが、本命の視線入力に手こずっています。現時点では、まだ動く指が使えるiPhoneのフリック入力が一番活躍しています。

日常のコミュニケーションは、透明文字盤を使うことが増えました。家族はもちろん、ヘルパーさん、訪問看護士、訪問リハビリ士、関わってくれるみなさんに無茶振りしましたが、習うより慣れろで皆さんが上達中です。制約はありますが、少しでもコミュニケーションできることが心の安定につながっているようです。

ヘルパーさんが入る時間を増やす

身体機能の低下に伴い、妻の負担が増えていきました。特に朝は息子たちを送り出して家事をこなさないといけないので、私の介助に手が回りません。このため全日ヘルパーさんに入ってもらうことにしました。介護保健の点数は使い切っており、市の障害福祉課にも支援してもらうことになりました。

全日の午前中にモーニングケアに入ってもらうだけでなく、通院や外出時にもヘルパーさんに入ってもらえるようになりました。

これから夜間の見守りが新たな課題になります。重度障害者訪問介護による支援の利用が視界に入ってきました。市の障害福祉課と、支援してもらえる介護時間の交渉に取り組みます。さらに、ALSの重度訪問介護に対応できるヘルパーさんが圧倒的に少ないので、自ら育成に取り組まないとなりません。これも新たなチャレンジになります。

当面の経済的不安が解消

昨年から、おもな収入は障害保険のみとなりました。毎月の支出で重いのは、やはり住宅ローンと生命保険で、収入から支払うのはまるで無理な話で、資産を取り崩して支払ってきました。

住宅ローンは、契約時に生命保険がかけられて、死亡時に保険金が残債の支払いに充てられます。

これらは死亡時に支払われるものですが、重度障害者と認定されると死亡時と同様に支払われます。

この仕組みのおかげで重い支出がなくなり、家計を考えやすくなりました。

とはいえ、長期的には不安です。この不安は病気によるものではなく、定年退職後の収入に対する不安と同じものです。要は老年となった時に仕事が見つかるか?という問題に過ぎず、自ら仕事を作り出せばいい話です。

結構満たされている心

自分でも不思議ですが、あまり悲壮感というかネガティブな感情が湧いてこないのです。おそらく、家族や友人と過ごす時間が沢山取れているからだと思います。

その中で、日本ALS協会の活動に参加していることも、社会参加の実感につながっています。

告知から2年以上経ちました。誤解を恐れずにいうと、告知後に「難病にかかって不幸だ。何かしてあげなきゃ!」と反応した人たちは興味を失ったようで、近寄ってこなくなりました。なので、お会いする人がみなさん良いオーラに包まれていて、そこからものすごくエネルギーをもらっている実感があります。

病気そのものや療養生活に必要な情報はだいたい把握しました。なので、根拠のない不安はなくなり、これからどう対処するのかを考えればよくなりました。

それでも正直なところ、人工呼吸器をつけた後に起きてくるであろう課題に、自分の心がどこまで耐えられるかはわからないし、自信もありません。でも、これまでも自分には無理と思った大きな山を越えてきたので、どうやらこれが今世での魂の修行の、最終課題のようです。

おわりに

経営哲学者のドラッカーの言葉に、「あなたは何をもって、人々の記憶に残りたいか」という趣旨の質問があります。実は、社会人になる時に自分に誓ったものがあって、それがこの質問に答えていたことをずいぶん後になって知りました。その誓いは、今回のチャレンジが実を結んだと思えるまでは秘密です。(^。^)

私自身は一人では何もできない体になりつつありますが、自分への約束を果たせる生き方は追求したい。恐れず、たくさんの方のご支援を得ながら、少しでも前に進みたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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