[読書] 仕事の強みの磨き方
僕にとっては若くて、いつも聡明さに感心しきりな知り合いである 吉沢 康弘さんの新著を読んだ。彼がよく口にする「手触り感」を人物記述に感じる本だ。
こういう本、35才と40才の自分の節目で読んでおきたかったな、と素直に思う。
小さな会社の未熟な経営者だったとき、苦しい時はいつもドラッカーの本を眺めていた。そこで「強みに集中せよ」という記述があり、できないこと苦手なことをくよくよ悩んでもしょうがない、と勇気づけられたけど、自分の強みをどう認識すればいいのかを結局悩んでしまっていた。
この本は、「じゃあ自分の強みってどういうことなんだろう?」という疑問にヒントや気づきを与えてくれる。ここで挙げられているのは、ライフネット生命の立ち上げに関わった優れた人たちだけど、強みってこういう視点で捉えていいんだ、という優しい視点に満ちている。
組織やグループを任されている人は、この本を読んで、こういった視点でグループのメンバを見てやれているか、その強みを組み合わせて成果を最大化しているか問うてみるといいと思う。
見えない未来を創りだそうと必死で働く中で感じるヒリヒリ感は、あまり盛り込んでないけど、文中から読み取れる働きぶりをイメージできるかどうか、が読み手にとってこの本が価値があるかどうかを分けると思う。
だから、簡単な答えを探している人、現状に満足しきっている人、あるいは成果を出すことを回避している人は、この本を読んでも何も刺さらないかもね。