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ALS患者高野元の日常と思考と回想

ALS発症の経緯(2) 〜 2014年前半

   

よく聞かれることなので、友人たちには知ってもらいたいのと、体の不調からALSではないかと不安を持っている方がこちらへたどり着くこともあると思うので、僕のALS発症の経緯を書いておくことにします。

「ALS発症の経緯(1) 〜 2013年」を見る

2014 早々に考えたこと

年末の検査では診断名がつかなかったのですが、症状としては特に右足の動きが悪く、股関節の筋肉が硬くなり始めて、足を引きずり始めたくらいでした。

あれだけMRI他の検査をしても何も見えてこないということは、医療機器では観察できない病気の原因がどこかにあると考えるのが自然です。西洋医学的な対応はペンディングになったので、東洋医学と代替医療を試そうと考えました。

一方で、自分は必ず回復できると信じていたので、仕事もプライベートも、やろうと思っていることは躊躇せずにやろうと考えていました。

2014.2:歩いていて転ぶようになる

少しずつ歩くのがしんどくなっていきました。ひざを持ち上げても、右のつま先が持ち上がらなくなったことで、つま先が地面に引っかかることが増えていき、気づくと靴のつま先が傷だらけになっていました。

あるとき、歩いていて突然転びました。右足のつま先が、路面のタイルの目地のくぼみに引っかかって動かせず、そのままバッタリ倒れました。一年前のテニスで転んだのと同じ原理です。

綺麗に磨いたロビーの床に靴のつま先のゴムが引っかかって転んだこともありました。

普通なら、多少の引っ掛かりは足首が動いてリカバーできると思いますが、その動きができなくなっていたのです。相当気をつけて歩くようになりましたが、月に1-2回の頻度で、ばったり倒れていました。あれ腰から落ちるので、打ち身からの回復に時間がかかりました。

2014.3:突然鼻声になる

年末の忘年会でカラオケにいった時に、以前のように声が出ずに歌うのが億劫になりはじめていました。

3月にはいるころから、大きな声で会話ができなくなったり、突然鼻声になり、カ行・ガ行の音が上手く言えなくなる現象が起きはじめていました。なんとなく喉の奥が腫れぼったく、アメを舐めたりすると回復するので、当時はただの喉あれだと思っていました。

3月末に、プロジェクト報告会で4時間ほど話しっぱなしだったことがあります。最後のほうで鼻声が治らなくなり、 かなり困った記憶があります。

2014.6:坂道が普通に下れなくなる

自宅近辺は坂が多く、緩やかとはいえない場所がいくつかあります。まず、この坂を下っていくうちに、気をつけないと加速を止められないようになりました。いつでも民家の塀に掴まれるような距離で、歩くようになっていきました。

また、当時運営していた恵比寿のシェアオフィスにいくには、東口を降りてからの急坂を使うのが最短ルートでした。しかし、相当小幅に歩かないと危ないと感じるようになり、遠回りの平地ルートに切り替えていきました。

またこの頃には、鼻声になる回数が増え、さらに滑舌が悪くなって早く喋れなくなっていました。耳鼻咽喉科を受診するも、声帯周りは何も問題無いという診断でした。再度神経内科の主治医と相談すると、検査入院の話になり、昨年末の印象が悪かった私は、入院を渋りつづけていました。

2014.7:アイスバケツ・チャレンジ

突然インターネット上で、ALSアイスバケツ・チャレンジが話題になりました。これはALS患者や関係者にとって、世間の認知を広げるために役だった活動だと思いますが、単なるイベント行為の延長にも見えていました。

同時に、昨年末のALSの可能性があるという説明が頭を再度よぎり始めており、このお祭り騒ぎを冷静に眺めるのが難しい心境でした。

とはいえ、アメリカのALS協会には、5000万ドル(60億円)以上の寄付が集まったそうで、最先端医療の研究活動が加速することを願わずにいられませんでした。

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