57歳になりました

ALS生活

2022年3月31日に、57歳になりました。

ALSの告知を受けてから毎年開催してもらっていた活動報告会は、中止が3回目となりました。残念です。

ちょうど10年前に、47歳の誕生日を迎えて 〜この一年考えてきたこと というブログを書いていました。会社をやめて起業して半年後、ALSの告知を受ける1年半前のことです。

当時は人生の価値観が転換している最中でしたので、心境として、

  • -金銭や地位といった相対的な目標は追わず、地に足の付いた生活をしよう
  • ちょっと多い収入でたくさん働くより、少ない収入でもバランスのとれた生活をしよう
  • 自分の能力を活かせるプロジェクトに参加することで、仕事の達成感を得ながら成長しよう

と書いていました。

現在の私は、ALSという想定外の病を得て、いまや最重度の障害者です。そうであっても、進行が落ち着いた現在は、こうした価値観に基づいた生活に戻れているのではないかな、と感じます。

もう少し説明します。

1つ目については、この動かない体では大きく稼ぐこともできないし、地位も望めません。というか、地位は役割であって、それに伴う権力を使うのはかなり苦手でしたので、もういらない。そうした性格が、支援者との関係づくりに役立っていると思います。

2つ目は、家庭を営むにあたって負担になったのは、住居にかかるお金(私の場合は住宅ローン)と、子供にかかる教育費でした。住宅ローンは、死亡時に保険が降りて以降の支払は免除されますが、重度障害になると死亡扱いになるので、支払いがなくなりました。

また、息子二人の学費ですが、長男は社会人3年目になり不要ですし、次男は大学4年生なので、あともう少しです。

もう家族3人+ヘルパーさんで、慎ましく暮らせればよいのです。

3つ目は、自分の能力や体力にあった機会を作れている、と思います。ありがたいことです。
2月下旬に、県庁主催の将来展望委員会にて講演させて貰う機会がありました。下記ページで資料が公開されています。

外出したいぞ

とはいえ、コロナ禍で外出機会が減り、人と会う機会も激減したので、脳の一部しか使わないことで物凄くストレスが溜まっています。年末の引っ越しの疲れが出たのか、特に1月はうつ状態がひどく、各所にご迷惑をかけてしまいました。こういうときはひたすら寝るに限るので、無理せずに過ごしていて、かなり回復してきました。

諸悪の根源であるコロナウィルスですが、そろそろ社会の停滞につながるほどに安全に振りすぎた制限は、もういいんじゃないですかねぇ。私は基礎疾患があることになっているし、エッセンシャルワーカーに囲まれて生活しているので、感染予防には十分気をつけないとなりませんけど、もう耐えられないので外出は我慢しません。

もっと太りたい

体の状態ですが、あまり変化していません。中野玄三師匠には「進行止まってるみたいだね」と言っていただきました。とはいえ、12月の定期検診(3ヶ月毎に受けている)で、体重が63キロから61キロに減っていました。65キロくらいで安定させたいので、もっと食べなければなりません。

これまで昼食はだいたいラーメンでした。マルタイの九州ラーメンシリーズがお気に入りです。茹でて2センチ程度になるように麺を折り、飲み込みやすいようにとろろを混ぜます。昨年末は完食できない日が結構会ありましたが、最近はまた完食できるようになっています。

ですが、最近になって「タンパク質が足りない!」と感じるようになり、それならと牛丼を試してみています。おかゆにミキサーした牛丼+生卵をあわせて食べています。

ところで、私が愛用しているラーメンやさぬきうどんなどの麺類が軒並み値上げされています。小麦などの価格がどんどん上がっているのでやむを得ないとは思います。インフレや円安で、経済が混乱するのではないかと心配しています。というか、もう急ぎで備えないとならないでしょうね。

「映像の世紀」

ウクライナ紛争は、21世紀にまだこんな事が起きるのか!と思い、ニュースを眺めています。我々の世代は、昭和40ー50年代に小学校で徹底的に反戦教育を受けたので、戦争の悲惨さは身にしみているつもりですが、今の若者は現実感が持てないんじゃないかと思います。

私は、学校での歴史教育は近現代史に時間を割くべきと考えています。中国で仕事をしたときに、日本人への偏見は、日清戦争から始まる戦争の記憶から来ていると痛感したからです。ウクライナ戦争も、ヨーロッパの戦争の歴史を知ることで理解できることもあります。

その意味で、NHKの「映像の世紀」は素晴らしい教材になるのではないかと思います。最近再放送された「映像の世紀プレミアム」21集は、すべて録画して見返しています。4月から、「映像の世紀バタフライエフェクト」として放送が始まるので、期待しています。

SNSの衰退

もう一つ気になるのは、FacebookなどSNSの衰退です。最近のバズワードにWeb3というものがありますが、私自身はまだ良くわかっていません。SNSはWeb2になるらしいんですが、まあ肌感覚として、特にFacebookは衰退を感じますね。神経難病関係者のネットワークづくりはSNSに依存しているので、代替手段を模索しないといけないな、と考えたりもしています。

おわりに

なんだかとりとめがなくなりましたが、今年一年も世の中に関心を持ちつつ、地元に足をつけて繋がりを作りながら過ごしていきたいと思います。

ALS生活

Posted by gen