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ALS患者高野元の日常と思考と回想

ラジカット体験記(4) : 第3クール

   

9月に開始したラジカットの投与ですが、

と順調?に進んできました。

この11月下旬に第3クールを終えて、環境も随分落ち着いてきましたので、その内容を紹介します。

今回も在宅投与

第2クールから引き続き自宅での投与となりました。カテーテルの挿入は訪問医師が担当しますが、それ以外の作業は、前クールで作業に慣れた妻がほとんど作業するようになりました。もちろん医師の指示を受けて、それを実行しています。

第2クールでは、毎日の点滴開始と終了時には訪問看護師にサポートしてもらいましたが、今回は点滴開始時の作業のみ見てもらい、終了の処理は妻が単独で行いました。

私は、多少の問題が起きても、すぐに大ごとになるわけではないと楽観していましたが、実際に手を動かすのは妻なわけです。なので、何かあった時にはすぐに連絡して対応してもらえるという、妻と訪問看護ステーションとの相互の信頼感ができてきたことが大きいです。

結局のところ、点滴終了時に訪問医師を呼び出す事態になることはありませんでした。ただし、最終日にカテーテルが詰まってしまい、サポートに来ていた看護師によって挿し直しとなってしまったのが残念でした。ただこれは工程の問題ではなく、第2クールでも起きた体の変化なので仕方がありません。

ともあれ総じて安定した投与となり、在宅ということもあって、精神的な負担は相当軽減されました。

投与中の体調の変化

第2クールを終えた頃と前後して、足の突っ張り感が強くなったり、使えていた左腕があがりにくくなったり、発声が一層しにくくなったり、症状の進行が進んできました。

このため、ラジカットの効果があるのかどうか、自問自答しながら第3クールを迎えることになりました。

第3クールの一週目は、特に体調には変化がなかったのですが、二週目に入ると体が重くなり家の中の移動ですらしんどくなりました。一週目の週末は3連休で、連日予定があって外出もあったので、疲れが出たのだと思っています。

体幹が疲れやすくなると、すぐに腰が緊張して、つられて足も動きにくくなります。こんなときは、すぐに腰が曲がってしまい、手すりに掴まって背筋を伸ばそうとしても、腰が痛いんです。

そんな状況だったので、ラジカットはもういいかなと思い始めていました。

投与後の体調

ところが、投与を終えて週があけると、うって変わって体調が良くなりました。体幹の疲れは軽減されて、手すりがあればほぼ真っすぐ立つことができるので、足もなんとか動いてくれています。

実は、第3クールを終えた翌日から、友だち十数名で金沢に一泊旅行に行っていました。北陸新幹線にも乗るし、一日中車いすに座っていることになるので、確実に先週の3連休よりも疲れると思っていたのです。

どうも、たくさん活動したから疲れるというわけでもなさそうです。

これまでの振り返り

第3クールまでを簡単に振り返ってみます。

第1クール:

  • 入院して投与。
  • 咳や発話の改善が見られた気がした。
  • 自分で動く割合が減ったことで下肢の筋力が低下し、体重も1割減ってしまった。
  • ラジカットの効果よりも、入院生活によるQOL低下が強くでた。
  • 退院後、自宅で回復に努める。

第2クール:

  • 在宅で投与。
  • 低下したQOLがほぼ回復した。生活環境の整備によるものが多いが、ラジカットの効果があるのかもしれない(そう思いたい)。
  • 投与後には、足の突っ張り感が強くなったり、使えていた左腕があがりにくくなったり、発声が一層しにくくなったりと、障害の進行を感じた。

第3クール:

  • 在宅で投与。
  • 体調が落ちて動きにくくなる。
  • 特に生活環境に変化はないが、3連休に予定を詰め込んで疲れてしまった影響はあるかもしれない。
  • 投与直後に金沢に一泊旅行に出かけたにもかかわらず、翌日から体調が回復し、ほぼ第3クール前の状態に戻った。

まとめ

これらを振り返ってみると、ラジカットの効果を明らかに感じることはなく、生活環境の変化のほうが体調に影響を及ぼすという印象です。

そもそもラジカットの効果は測定が難しく、治験でもプラセボとの比較で症状の進行を示すイベント発生までの期間に有意差を認めるというものなので、自覚できるような症状の改善はないと考えるのが自然です。

とはいえ、第3クールの投与を終えた後の体調回復は、何かしら影響があったのかもしれません。投与中は、腕にカテーテルも入っていて、毎朝1時間半ほど時間がとられるので、そのストレスはあります。

投与が終わったあとに感じる開放感や、友人たちと過ごした楽しい時間が、体調に影響している可能性はあるでしょう。

今後の予定

第2クールから第3クールまでの間は、第4クール以降を続けるかどうか迷っていました。公的支援のおかげで直接の金銭負担はありませんが、高額な薬を体に入れ続けることに多少の抵抗感もありました。

しかし、第3クールを終えたあとの体調が良かったのは、「ラジカットの投与後に、気持ちが高揚するイベントをもってくるといいかもしれない」という仮説を持つに至りました。

そういうわけで、第4クール以降も継続して来年の3月に再度判断することにしようと、主治医と相談して決めました。

ほかの患者さんたちが、どのような環境でラジカットを投与していて、それによってどのような変化を感じているのか、非常に興味があるところです。

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