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ALS患者高野元の日常と思考と回想

症状改善に試みた治療

      2015/04/30

はじめに

先のブログ「ALS発症の経緯(2)」に書いたとおり、一回目の検査入院では病名が付かなかったこともあって、西洋医学とは異なる治療を試していきました。これもどなたかのお役に立つかもしれないので、書き残しておきます。

素人発想ではありましたが、当時は右脚の不調以外の大きな問題はなく、症状からみて右太もも付け根か腰回りの血流障害か神経障害を疑っていました。その線から情報をたどったり、人の紹介を受けて下記のような治療を行っていきました。

腰痛専門整体

腰痛は、痛みを感じているところが必ずしも患部ではないというのは、最近良く言われるようになってきました。腰痛の原因を分析すると、原因が明確なものは15%程度という話もあるようです(⇒参考)。

当初、原因不明の腰痛と同根かもしれないと考えた私は、『仙腸関節の硬直が腰痛の原因』という考え方に行き着きました。仙腸関節は腰椎と骨盤を繋ぐ関節で、その間を繋ぐ筋肉が硬直すると、腰痛やそれに起因するしびれなどの原因となる、というものです。

慢性的な腰痛を抱えていたので、効果を期待しました。確かに腰のハリは改善しましたのですが、脚の不調が改善することはなく、3ヶ月ほど続けたのちに一旦区切りをつけました。

気功のようなもの

いわゆるホメオスタシス療法も試しました。施術をする人が出す波動(気のようなもの)で、人間が本来備えている自然治癒力を活性化するという考え方です。生まれてから現在に至るまでのものの考え方の歪みも、治療の対象でした。

少し前から精神世界に興味を持ち始めていて、人生観が体の好不調を左右するという考え方に触れていたため、信じて取り組んでみました。

長年蓄積されていたであろう、内臓を含む体の歪みや不調を指摘されました。たしかに体調は整っていき、脚の具合も改善したように思えた時期もあったのですが、歩行が困難になっていったタイミングで区切りをつけました。

その後いろいろ調べているうちに、野口整体というものと同じ考え方であるように思えました。同じ考え方の手法が複数存在するということは、ある条件下にある方には効果があると考えて良いと思っていますが、残念ながら、私には効果がなかったようです。

中医鍼灸

体の痛みや不調は、気の流れの乱れにあると考えるのが東洋医学です。上記の治療と前後して、頭と手のツボに鍼を使うことで、たいていの症状を改善してしまう、という中医鍼灸を紹介されて治療に通いました。

気の流れが滞っているところを刺激するツボに鍼を打っていきます。脚の不調についても、いろいろなツボを試して鍼を打つのですが、鍼を打った直後は症状が改善する時期もありました。いま思えば、機能が低下しつつある運動神経を活性化できていたのかもしれません。

医師からは首のコリがひどく、それが肩こり・腰痛・足のしびれの原因になっているのではないかと言われ、実際に肩こりや腰痛はかなり軽減しました。

ALSが運動神経系の上位ニューロンの機能消失であることを考えると、首の後ろすなわち側索を通る神経を刺激するというのは理にかなっていたと思えます。しかし、気の流れを整えることが神経機能の修復にはつながらなかったということになります。

おわりに

最終的に治したい症状は改善しなかったので、ALSへの治療効果はなかったことになります。誤解しないで欲しいのは、これらの治療がまったく無意味なわけではないということです。

私は治療の専門家ではないので、体験からしか言えませんが、東洋医学はもちろん代替医療も目的が一致する場合は効果があるのだと思います。ただ、ALSのように脳や中枢神経の変性を癒してくれる治療方法にはならなかった。

西洋医学・東洋医学・代替医療のすべてを試したわけではありませんが、上記のような治療体験を通じて、脳や神経の再生は、内臓や筋肉の再生とは次元が違うものなんだろうと感じています。医学的にどのように体系化されているのか知りたいので、これから調べてみたいと思っています。

欠損したり変性した細胞の再生は通常は困難だと思うのですが、これに対応できる可能性があるのがiPS細胞を使った再生医療ですよね。

患者のひとりとして、研究の進展を強く願っています。

画像はこちらのサイトから引用しました。

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