【応援】ギルドワークス中村さんとお会いしました
1月の終わりに、ギルドワークスの中村さんが会いに来てくれました。その業務内容は、私が以前取り組んでいたり、こうしたかったなぁと考えたことに近いものでした。彼と話をしているうちに、色んな感情が呼び覚まされたので、ブログを書いておくことにしました。
中村さんとの出会い
2012年の暮れに出張で大阪を訪れた時に、若い友人のTさんが、おもしろい友達を紹介しますと引き合わせてくれたのが中村さんでした。
DevLOVE関西というエンジニア・コミュニティの主催者の一人で、当時はフリーランスでアジャイル開発のコーチをされているということでした。
数カ月後に、当時運営をしていたギークオフィス恵比寿まで会いに来てくれて、私が手がけていた、「企業内にリーン・スタートアップ手法を導入するにあたっての課題」について意見交換をさせてもらったりしました。
アジャイル開発コーチとは?
私のコンサルティング業務の中で、アジャイル開発手法をいかに知ってもらって導入するか、が課題のひとつでした。アジャイル開発は、仕事に対する考え方を根本から変える必要があるため、その導入は一朝一夕では上手く行きません。
従来型の開発では、プロジェクトマネージャ・システムエンジニア・プログラマというピラミッド構造をとるのが一般的です。一方、アジャイル開発の一手法であるスクラムは、プロダクトオーナ・エンジニア・スクラムマスタという体制となります。
そんなアジャイル開発の現場に入り、仕事の土台からひとつずつ作り変えるべく、説明して、やってみせて、を繰り返し行なってコーチングするのが「アジャイル開発コーチ」という仕事なのだそうです。
ギルドワークスを起業
そんな中村さんは、DevLOVEの仲間とギルドワークスという会社を2014.4に起業しています。会社のホームページにも記載されていますが、中村さんとの話の中でも説明を受けた下記のフレーズが印象的でした。
- WHYに共感できるものに集中
- 越境する開発
- 正しいものを正しく作る
- 適時適チームの結成
特に「WHY」は、私も事業開発のコンサルで常にクライアントに問うている点です。「WHYに共感する」仕事に集中するということは、単なる受発注の関係ではなく、結果にコミットしたいという姿勢の現れです。なので、とても嬉しく感じた点です。
役割にとらわれずに正しいものを作る
受託開発をしていると、つい発注者のいう通りのものを開発しがちです。
しかし、発注者が顧客のニーズを誤解していたとしたら、作ったものは誰にも使われないので、その開発は無意味なものになってしまいます。
発注者と受託者という関係で責任分界点を引いてしまうことが、そんな無意味な開発の温床となっていると常々考えていました。なぜなら、受託開発側が本当の顧客とそのニーズを理解しないまま開発してしまうからです。
こんな時は、開発者が本当の顧客のニーズを掴みに行くべきです。これが越境です。
ギルドワークスは、「正しいものを作るために、越境する」開発集団ということですね。
自律できるエンジニアをリモートで繋ぐ開発体制
私が前職で役員を務めたデジタルフォレスト社は、私の入社時期まではプロジェクト・マネジメントに特化した開発会社でした。顧客の要望を具現化し、それを個人事業主として働くエンジニアを束ねて開発チームを構築していく、というスタイルが先駆的だったと言えます。
コミュニケーションには、当時Lotus Notesのチャットシステムsametimeを使っており、話したいことができたらすぐにチャットをする環境は新鮮なものでした。
最初は半信半疑だったこの環境も、
- 自分が作りたいものの目的やイメージを、あらかじめ明確にしておく
- エンジニアが自律的であれば、任せたほうがいいものができる
ことがわかってくると、スピード感ある快適な環境となったのです。
ギルドワークスは、日本各地の自律できるエンジニア達と、プロジェクトごとにチームを組んで対応しているのだそうです。
そのベースには、顧客のイメージを具体化する能力と、エンジニアの高い自律性があるのだと思います。
企業内にリーン・スタートアップ手法を導入するときの課題
企画をじっくり練るのではなく、手早くプロトタイプを作って仮説検証を繰り返す中で、本当に顧客が求める価値を見つけだすのが、リーンスタート・アップ手法です。
顧客が求める価値が見つかると、まずはその価値を実現するコア機能を開発することになります。その次は顧客と対話しながら、必要な機能を少しずつ確実に実装していく開発手法が必要です。
ギルドワークスのサイトにあった絵を拝借します。
私が手がけているコンサルティングは、この図で言う仮説検証フェーズの進め方であって、「正しく作る」必要性を説くことはできても、その実践を支援することはできていませんでした。
そこを補ってくれる、パートナー企業を見つけたいと、ずっと考えてきました。残念ながら、病気のためにこの業態で仕事を続けるのが難しくなりましたが。。
(勝手に)私の思いを継いでくれる会社
偶然知り合った会社ではありますが、ギルドワークスという会社となにか一緒に仕事ができるといいなと思ってきました。
その理由は、
- 仮説検証型の製品開発手法に長けていること
- 私は提供していない、開発フェーズの具体的支援ができること
にあります。
また、組織にアジャイル開発手法を導入し、社員にエンジニアらしく創造性を発揮してもらうことは、私の経営者時代の一つの目標でした。
そんなわけで、道半ばでやりきれなかった私の目標を実現してくれそうなギルドワークスは、応援したい会社なんです。
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ただ言われたとおりに作るだけの開発会社に、なんとなく不満を持っている方は多いのではないでしょうか?
そんな方は、ギルドワークスに相談してみてはいかがでしょうか?
ただし中途半端な企画のままだと、そこにもガッツリ手が入るので、覚悟してくださいね。