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ALS患者高野元の日常と思考と回想

大連中日交流テニスで感じたこと

      2015/04/22

大連出張の合間の休日に、中日友好テニスイベントがあったので参加させてもらいました。スポーツによる交流は言葉の壁が低くなりますし、同好者同士の気安さもあり楽しく過ごせました。こうした草の根交流の様子は、日本で連日のニュースを見ている人には伝わらないことだと思うので、ここに書いておきます。
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大連には、駐在員の方を中心に運営されているテニスサークルがいくつかありますが、その一つに私も参加させてもらっています。そのメンバの一人が、市街中心部にある現地のテニスクラブと交流があり、昨年から定期的に交流試合を開催するようになっています。
今回は、朝8:30から12:30の短い時間ですが、前半は中国チーム対日本チーム、後半は日中混合ペア同士の対戦という進行でした。まあ、アマチュアの比較的年配者同士の対戦ですから、進行も和やかです。先方は礼儀正しく、進行の合間にも色々と気を使ってくれます。


中山区網球中心にて

ですが、腕前はなかなかのものです。40代でテニスの心得があるということは、学生時代となる20年前にテニスができたということです。当時の中国の状況を考えると、社会的地位が比較的高い家庭に育ったということで、ご本人たちも現在は市政府や企業で要職を占めている方たちだと、あとで聞きました。
さて、後半の日中混合ペアでの試合というのは今回初めての試みでした。私も、片言とはいえ基本会話はできるので、ペアの方と簡単な会話は交わしますが、最初はお互いにぎこちないコミュニケーションではじまりました。
だんだん慣れてくると、いいショットを打てば、お互いに「好球 hao qiu」と声が出ますし、目で相手をほめる気持ちを伝えます。ミスショットをすれば残念さが態度に出ますから、次がんばろうと「加油 jia you」と声を掛け合います。お互いに手のひらをタッチする回数も増えていき、これはなんだか楽しいなと、充実した気持ちでプレイをすることができました。
スポーツは、言葉や文化の壁を越えたコミュニケーションを容易にしてくれるので、短期間で気持ちを通じ合わせることができます。これは、別に中国だからではなく、アメリカで生活したときも同様の体験をしました。この原因をちょっと考えてみると、
・スポーツには世界共通のルールがあり、お互いにそれを理解していること。
・遊びとはいえ勝負なので、共通のゴールを持っていること。
・言葉ではなく、ボディランゲージで気持ちを伝え合えること。
と、シンプルに思い浮かびます。
逆に言うと、職場などで人間関係がうまく行かないときは、上述の反対の状況になっていることが多いのではないでしょうか。
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日中関係は、尖閣諸島での事件や反日デモの報道もあって、多くの日本人の中国に対する印象はかなり後退しています (統計もでていましたね)。しかし、この中で実際に中国で仕事をしたり旅行をしたりして、現地の人と交流した経験がある人は一握りであり、報道や世論に誘導されて不安な気持ちを持たざるを得ない面も多いと感じます。
中国は、よくも悪くも世界の経済や政治に大きな影響を与える大国になりました。日本は輸出でも輸入でも、あらゆる分野で深く中国と結びついてしまっているので、これからも積極的におつきあいしなければなりません。現在は多くの人が日中の距離感を計りかねている状況だと思いますが、まだ改善可能な段階ではないでしょうか。
中国は確かに不思議な国であり、日本的な感覚からすると理解できないことも多いです。しかし、一人一人の人間と向き合ってみると、多くの人は日本人と同じようにまじめで努力家であることがわかります。方向付けや管理のポイントがちょっと違うんですが、これは文化的な背景によるものが大きいと感じています。
この文化の違いを相互に理解し、人としての付き合いを増やすことができれば、現在のコミュニケーション上の不具合を減らし、どう協力していけばよいか前向きに考えることができるはずです。
外交に関しては、言い負けないようにもう少し日本の将来を見越して強気に出た方がいいと思いますが、これはその役割を担っている方達の奮起を期待し、私自身は草の根の情報を発信していくことで、人間同士の関係を少しでも近づけることに貢献したいと考えています。

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