2025年 新年のご挨拶
新年のご挨拶を申し上げます。
関わって下さる皆様に改めて感謝し、今年一年のご多幸を祈念いたします。
今年一年は、50代にやり残したことを片付けつつ、体調と精神の安定を第一に、新しいことに取り組みたいと思っています。
2024年は総じて体調が悪く、依頼された講演をこなすので精一杯で、自分プロジェクトが何一つ進められずに苦しい一年でした。
主には不眠が原因ですが、2023年のスイス出張が、結局じわじわと身体へのダメージになったようです。
数えてみると、小さいものやオンライン講演も含めると、22件も講演・講義していました。新記録です。
体調が悪い割にはよく頑張りましたが、これでは他の仕事はできませんよね。セーブして、自分の時間も作らないといけません。
SNSも一時期ちゃんとやろうと思った時期もありましたが、気づけば「いいね」を押すのも億劫になっていました。このまま、SNSを控えて時間を作るのもいいかなと考えています。
年末には発熱して体調がなかなか回復せずにいましたが、シゴトをうっちゃったおかげでマルチバース宇宙論の本を読むことができました。インフレーション宇宙論の課題が、超弦理論で解決できるかもしれないことを知って、興奮しています。
ALSのために色々不便な体ではありながら、気力は十分と思っていましたが、思い通りにいかないことが増えてきました。気づけばこの3月には還暦になります。
いろいろと分不相応な役割も引き受けていますが、これも貢献できないことが多く残念な気持ちでいますが、無理せず生きていくことにします。
それでも、川崎つながろ会で伊豆・三津シーパラダイスに行ったり、学生ヘルパーも含めてあちこち出かけたりしたことが、気持ちの平穏に貢献してくれました。
ALSの告知から10年が過ぎました。教科書通りならすでに死んでいるわけですが、幸運にも生き延びています。
療養環境は、この10年で大きく進化したように思います。私はリハビリの効果をできるだけ広めたいと講演をしていますが、医療者よりも患者から求める声が増えているように思えます。
創薬の進化も著しく、2024年の暮には2つの薬が認可されました。さらにiPSスクリーニングという手法で選別された、ボスチニブ(白血病の認可薬、京都大学)、ロピロニール(パーキンソン病の認可薬、慶応大学)が3相試験を準備しています。これらも含めて、次の10年で進行抑制に劇的に効果のある薬が出現すると期待しています。
私には間に合わないかもしれませんが、新たに診断される患者の福音になることは間違いないので、ともに待つ気持ちを維持したいと思います。
そんなわけで、今年もどうぞよろしくお願いします。
※タイトル画像はFLUX.1で作りました。ヘビで2025を描いているのが味噌です。