ニコニコ超会議2017に行ってきました
去る4月30日は、TheWave湯川塾の仲間でニコニコ超会議2017に行ってきました。
このイベントは2012年に始まったそうで、私も第二回となった2013年に見に来ています。政党が出展して安倍総理も来場して、話題を呼んだ時だと思います。
今年は幕張メッセを借り切って、15万人を超える来場者が訪れたそうです。すごいですね!
何が面白いかというと、ニコニコ動画のオンラインの世界が、現実の空間に現れるところです。まあ、オタクの学芸会といったところでしょうか。メディアアートや、コンピュータグラフィクス、あるいは人工現実感の実践としてもレベルが高いものがあります。
もう終了してしまったのですが、ニコニコ学会という企画で、研究100連発というのがあって、そこに現れる「野生の研究者」が大好きでした。
車いす程度の違いは埋没しちゃう空間
会場をツアー形式で回って見学したのですが、コスプレの参加者多数でした。そうなると、車いすとか重度障碍者とか、埋もれちゃって全然目立たない。
実はオリィ研究所の吉藤オリィさんが、オリヒメを車いすにつけてくれまして、さらに私もEND ALSシャツを着て、多少のアピールを試みたのですが、まったく太刀打ちできませんでした。
そんなことを考えてしまうほどに、ダイバーシティ感に満たされた空間でした。
余談ですが、最近仲良くしてもらっている「うんちマン」こと小関さんのうんちスーツの目立ちようはすごかった。
オリヒメの話
オリヒメは、遠隔地に置いて、そこにいるかのように感じられるコミュニケーションデバイスです。(湯川さんのオリヒメの記事)
でも私には、自分の身体表現に使いたいなー、と思うことが多かったので、今回の設定はなかなかおもしろかった。
オリヒメのカメラ映像は、手元のパソコンに表示されるのですが、その視点を私が立ち上がったところに持ってきてあります。つまり、健常者のころの視点を取り戻せるのです。また、オリヒメは首が振れるので、普段は見えない景色も見ることができるようになりました。
ALS関係者の間ではオリヒメは有名です。当日も高い位置できょろきょろしているオリヒメを見つけてくれた若手関係者と遭遇できました。
超会議に望むこと・やってみたいこと
難病患者となって気づくことがあります。それは、世間では自分が思うよりずっと難病のことが知られていないこと。だから、なにをどうしたら支援になるか、当事者以外で考える人も少ないままです。
たとえばALSでは、症状の進行につれてコミュニケーションが難しくなり、支援機器が必要になります。こうした機器の実態はパソコンです。症状は患者ごとに違うので、健常者向きに最適化されているハードやソフトを使うのは結構大変です。
そういうわけで障害の程度に対応する機器が生まれるのですが、利用者数が少ないために、課題に取り組む人も少なくなってしまいます。そこで「野生の研究者」が必要です。障害者の苦労に寄り添い、その課題設定をオープンにしつつ解決策の実現を目指す人が増えてほしい。
そういった「野生」は、ニコニコ超会議のようなカオスで異才が集まる場所に現れるに違いない。
だから来年は、障害者支援の視点で一つブースを作ってみてほしいです。シンポジストにどんな方に来てもらったらいいか、考えるだけで楽しくなりますね。
※写真は、吉藤オリィさんからご提供いただきました。