ALS患者の会に参加しました
ALSへの対応が知られる病院のひとつに、都立神経病院があります。1980年の創立で、脳神経系の疾患を専門に扱う病院で、以前に紹介した「新しいALS観」に基いて、患者のケアを行っています。
今年の1月にセカンド・オピニオン外来で訪問し、その後継続的に話をさせてもらっているのですが、「今度、患者会がありますよ」と紹介されました。
病院主催なので、神経病院でケアを受けている患者またはそのご家族が中心でした。また日本ALS協会の方も、ボランティアをされているようでした。
このような患者会にははじめて参加しました。
私のように告知を受けてから間もない方から、20年以上闘病されている方、ご家族でいらしている方、ヘルパーさんを伴ってお一人で参加されている方、など症状も病歴も様々な方がいらっしゃいました。
患者会は、順番に近況や心境を話す「ストーリーテリング」のみで構成されていました。お互いの話を聞く中で、「自分たちはまだ楽な方だと思う」とか「頑張っている様子に励まされました」という感想が出てくることもありました。
長い闘病生活を経験されている方は、それを伝えることの意義を感じていらっしゃるようにも思えました。患者数が少ない中での情報共有はとても重要なので、こうした姿勢でいらっしゃる方々には頭が下がりました。
また、完全に体が動かない中でも、わずかに動く目を文字盤で追ってコミュニケーションを図り、患者会に貢献しようとされる方もいらして、とても励みになりました。
会場には、冒頭で触れた「新しいALS観」を書かれた林秀明先生がいらしたので、論文のお礼を告げて、少しお話をすることが出来ました。
先生からは、
- 呼吸機能の障害も、一つの障害にすぎない
- 介護を支える体制は、以前に比べると整っているので活用すべき
- 老化現象のようなものなので、できることを大切にする
というお話があり、我が意を得たりでした。
ALSは症状が進むと24時間介護の体制が必要になり、ヘルパーを含む介護体制をどう作っていくかを考えなければなりません。行政や地域支援センターとの協力が必要になりますし、いろいろな苦労がありそうです。
こうした患者同士の交流にも取り組んで、先人の苦労から学び、他の方に伝えられるようにしていきたいです。
[amazonjs asin="476100892X" locale="JP" title="新ALSケアブック―筋萎縮性側索硬化症療養の手引き"]