gentak.info

ALS患者高野元の日常と思考と回想

かわいそう・はずかしいの正体

      2018/07/03

ALSになって、ある程度病気を理解したころに強烈に思ったのは、「かわいそうな人扱いをされたくない」ということでした。

実際、ALSになったことをブログで公表したときは、日本中から「かわいそう!」の思念が押し寄せてきて、数日体調が悪化したほどでした。

その時考えたのは、「なぜみんなかわいそうと思うんだろう」ということでした。これは「ALSだからかわいそう」ということではなく、もう一段深い「なぜALSはかわいそうと考えられてしまうのか?」ということでした。

日本中からやってきた「かわいそう」は、ほとんど「ALSだからかわいそう」のようでした。

なんでALSだとかわいそうと思われるのでしょうか?思いつくものを列挙してみます。

  • 治らないから、数年で死んでしまう
  • 体が動かなくなるから、思うように活動できなくなる
  • 呼吸器をつけて寝たきりになる姿が、いたたまれない

みたいな感じでしょうか。。。

それぞれ考えてみました。

数年で死んでしまう、についてですが、この年になると友人・知人にもすでに亡くなっている人がいます。平均寿命を全うできないことをかわいそうというなら、理解できなくはありません。そもそも、この年で健康なら、死ぬことは想定しませんからね。

思うように活動できなくなる、については、環境を整備することでなんとかなることがわかってきました。さすがに一人旅は無理ですが、結構できることはあるのです。でも、以前のように一人でできる、当たり前のことができないのは事実。

いたたまれない、についても、普通目にすることのない姿を見るのがつらい、ということだと思います。

これらのかわいそうの主語を、当事者本人に置き換えると、恥ずかしいの理由になります。

どうやら、かわいそう・恥ずかしいの正体は、平均・当たり前・普通、と違っていることのようです。

平均・当たり前・普通などいろいろな表現がありますが、「常識」という言葉でくくってみます。

常識って何でしょう?

ある社会で,人々の間に広く承認され,当然もっているはずの知識や判断力。 (三省堂大辞林)

あれ?知られているかどうかの問題?なら社会に知ってもらえば解消するってことですね。

常識に関するエピソードを一つ。

私は46歳のときに会社を辞めて、半年ほどぶらぶらしていました。

ある時うちに遊びにきた息子の友達が言いました、「お前んち、なんで父ちゃんいるのー?」

その日の夜に息子に申し渡しました「今は休養中である。決して恥ずかしいことはしてないから、堂々としとけ。」

ーーーー

常識なんかぶっ飛ばせ!

 - ALS生活