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ALS患者高野元の日常と思考と回想

シルクロードに行ってきた:ウルムチ(2) 〜 天山天池

      2015/08/26

4/19-4/21:新疆ウィグル自治区ウルムチ: 

ウルムチ滞在二日目は、天山天池に行ってきました。今回の旅の最終目的地です。

天池と呼ばれる湖から、天山山脈の東部にあるボゴタ峰(標高5445m)を臨むことができる景勝地です。雪を抱く連峰とその姿を映す湖で知られるスイスの景観に似ているので「中国のスイス」と呼ばれますが、日本の上高地の風景にも似ていますね。

新疆ウイグル自治区はタクマラカン沙漠のイメージが強いですが、南の崑崙山脈と北の天山山脈と、標高7千メートル級の山々に挟まれています。天山山脈は中央アジアと接するパミール高原から、モンゴルと接するアルタイ山脈まで、約2,500Kmもの幅で横たわっており、この天池は東から1/3程の場所に位置しています。

天山天池へ:

ホテルを10時過ぎに出て、街の中央に位置する人民広場までタクシーで移動すると、いくつか地元の旅行社があります。天池行きのツアーがないか聞いてみると、バスツアーが200元で、ミニバンをチャーターすると400元と言われます。

北京でバスツアーのトラウマがある私は、ちょっと迷ってミニバンを選びました。すると、旅行社のおっちゃん(以下、おっちゃん)が運転手となり、そのままミニバンで天池へ。きっとタクシーをチャーターしても同じ値段を取られたでしょうね。

天池は、ウルムチ市街から90Kmほど離れており、途中高速道路も使いながら一時間半程度のドライブでした。ミニバンはトヨタのハイエースだったのですが、おっちゃんはしきりに「日本車はいい!」を連発して、日本人旅行客のご機嫌を取りにきていました(笑)。東北大震災のことも話題になり、日本のことを心配してくれました。

さて、新疆ウィグル自治区は、漢族とウィグル族が人口の約90%を占めますが、それ以外にもはモンゴルから中央アジアの多くの騎馬民族が住んでいます。天池にはカザフスタンのカザフ族が移動テント「ゲル」に住み、その一部は観光資源となっています。

カザフ民族風情村

私は立ち寄りませんでしたが、カザフ民族風情村に立ち寄ると、カザフ族の人々がゲルの中でお茶を出してくれたりするそうです。ちなみに、カザフ族は日本人に近い顔立ちをしているらしいのですが、日本人の源流がバイカル湖畔に生まれたブリヤート人という説もあって文化人類学的な興味が尽きませんね。

山道に入るところで入場料100元を支払い、さらに少し進むと天山天地遊客服務中心(サービスセンタ)に着きます。ミニバンやバスツアーが入れるのはここまでで、ここからはシャトルバスやロープウェイで、さらに高所にある天池まで登ることになります。4月はまだ観光シーズンではないので、シャトルバスしか運行していません。ロープウェイは、5月の労働節から運行するそうです。

天山天池游客服務中心

さて、バスで天池のそばまで上がると、土産物屋やレストランがあります。ここで、おっちゃんにおごるはめになり(実はお約束)、高いのにカザフ族の羊肉料理というのをつい頼みすぎてしまい、二人で300元!(約4000円)もかかってしまいました。これで内心動揺してしまい、写真を撮りそこねました。。。。

動揺はしたものの、民族料理でおなかを満たしたあとは、5分ほど歩いて天池に到着です。1時少し前でした。おっちゃんに記念写真を取ってもらいました。

記念写真

サービスセンタからこの天池までは5Kmほどあるのですが、下りなら脚も持つだろうということで、「5時までに降りるよ」と伝えて、後は単独行動です。

天池は標高1980mほどの高地にあり、冬は氷点下30度以下まで気温が下がります。このため、11月から4月の間は湖面は凍ってしまうのです。1-2月の間は氷の厚さが1mに達するので、スケート場になるそうです。そういえば、湖面にも跡が残っています。訪れた4月下旬は、すでに気温が20度くらいで氷の厚さも5cmほどになり、当然立ち入り禁止でした。5月末には、すべての氷がとけて雪解け水として流れていくそうです。

4月はまだ湖面が凍っています。スケート場の跡が見えます

湖面が凍っていても、絶景に変わりはありません。中国らしく、新婚の記念撮影をしているカップルがいくつもいました。こんな景色をバックに記念撮影とは、実に羨ましいですね。

記念撮影の様子

夏には湖には遊覧船が出るので内心楽しみにしていたのですが、この時点では氷に閉じこめられたままでした。

氷に閉じこめられた遊覧船たち

湖面の奥に見えるのが天山山脈で、右に行くとモンゴルへ、左に行くとカザフスタン・キルギスタンへと連なっています。中央の山が最高峰のボゴダ峰で標高が5813mあります。

アングルをちょっと変えてみました

湖面に沿って遊歩道があります。左回りに1.5Kmほど歩くと、寺院が立っています。有料なので参拝しませんでしたが、中国西域はどこにいっても仏教寺院があるなという印象でした。ウィグル自治区はイスラム圏なんですが、ちょっと不思議ですね。

寺院入り口

湖畔をひと通り散策した後は、雪解け水が流れこんでできる滝を見ました。まだまだ水量は少ないですが、たしかに雪解け水が流れていて、春の訪れを感じさせてくれました。

6月にはあふれんばかりの水量になるという、滝

そうこうしているうちに4時を過ぎたので、そろそろサービスセンタに戻らねばなりません。下りとはいえ5Kmありますからね。先程の滝からずっと遊歩道が整備されていて、雪解け水の流れを楽しみながら歩くことができました。

とてもたくさん写真を取りましたが、渾身(笑)の二枚を載せておきます。

雪解け水 (シャッター速度:1/500秒、絞り:7.62、f値:14)

雪解け水 (シャッター速度:1/15秒、絞り:9.38、f値:25)

実は、同じ場所でシャッター速度を変えてみました。雪解け水の瑞々しさと荒々しさが伝わるでしょうか。

こうして流れでた雪解け水は、サービスセンターのそばにある池に一旦溜まり、ふたたび下流に流れていきます。透き通る清水で、外から眺めると、美しい碧色になっていますね。

雪解け水が貯まる池

約束の5時に、サービスセンタの駐車場にたどり着き、あとはおっちゃんの運転でウルムチ市街に戻りました。疲れたので、途中は寝させてもらいました。

当然ホテルまで送ってくれたのですが、最後にチップを要求されました。中国ではチップを要求されたことはほとんど無かったので、内心では「えーーまだ取るのかよ」と思いつつ、天池の美しい景観に免じて喜んでチップをはずんだことはいうまでもありません。

この天山天池は、中国に数ある景勝地の中でも人気がある場所のひとつだそうです。日本からは5000Km以上も離れている場所ですが、豊かな水をたたえた夏のハイシーズンにもう一度来てみたいものです。



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