北京に行ってきた(4) 〜 頤和園
頤和園へ:
昼食を終え、地下鉄13号線で30分ほど行くと、頤和園の北門そばの「北宮門駅」に着きます。ここから5分ほど歩くとチケット売り場があります(60元)。中に入ると各国語対応の音声ガイドも貸し出していました(100元+デポジット100元)。
この頤和園も1998年に世界遺産に登録されています。もともとは主に宮廷用の貯水池でしたが、1750年に清の乾隆帝が造営した庭園が充実し、その後西太后が愛したことで有名です。1860年のアロー戦争で破壊されたため、西太后は国費を浪費して再建しました。これが当時世界最強の戦艦を保有していた北洋艦隊の整備を滞らせ、日清戦争での日本の勝利の遠因になったと言われています。
蘇州街:
北門から入ると、最初に眼に入るのは蘇州街です。頤和園に閉じ込められている皇妃ほか女官たちを楽しませるために、蘇州の風景を真似して作ったということです。なんと独自通貨も流通させたそうですが、まあ皇族がやる高いおままごとですね。
仏香閣:
ここから丘をのぼっていくと、頤和園のシンボルである仏香閣の背面に出ます。なぜ背面?と思った我々は気づきました。そうです、頤和園は、南から北に向かって移動しつつ楽しむ設計になっているのでした。
気をとりなおして、仏香閣を眺めてみると、天壇のように瑠璃色の瓦に、色彩豊かな装飾が施されています。正面からみると「雲外天香」の文字が掲げてあります。これ、上層は「式延風教」、中層は「気象昭回」となるそうです。
この仏香閣から南向きに見下ろすと、昆明湖が見えます。この昆明湖は杭州にある西湖を模した人造湖であり、仏香閣も西湖のほとりにある六和塔を模したものだそうです。昨年、杭州・西湖に行ったので、その時の景色をを思い出しました。
仏香閣から地上にある排雲門までは100段を越える階段で行き来します。写真では分かりにくいですが、仏香閣から左右斜めに伸びているのが階段です。
長廊:
排雲門を出ると、昆明湖の東西を結ぶ長廊があります。ここには三国志の名場面ほか、さまざまな絵が書かれています。西太后ほか皇室の人たちが、雨に濡れないように、あるいは日に当たらないように作られたのだと思いますが、贅沢なことです。
三国志の一シーン:趙雲と張飛の一騎打ち(??だが、三国志平話に逸話があるらしい)
昆明湖:
昆明湖の中程には、南湖塔という小さな島があります。これも西湖に浮かぶ三潭印月を思い出させますが、南湖島は十七孔橋で岸辺から歩いていけます。
徳和園:
頤和園といえば西太后、その贅沢ぶりを象徴するのが徳和園大戯楼です。京劇の大ファンだった西太后は、ここに専用の劇場を造り、自分が楽しむだけでなく、家臣をここへ招待して褒美としたそうです。
一階が舞台で、二三階が仕掛けや大道具を配置する場所です。
この劇場の向かいに立てられた頤楽殿が、西太后の観劇場所だったそうです。
——
頤和園は、280万㎡という広大な土地に作られた庭園であり、多くの建物や景観を備えています。時間がある方は、1-2日かけて、昆明湖の周りを一周しながら景観を楽しんではいかがかと思います。
王府井小吃街へ:
18時過ぎに頤和園を後にし、再び地下鉄で市内に戻り、王府井小吃街にて夕食をとりました。ここは混雑していますが、小さな店がふるさとの料理を出しており、少しずついろんな料理を食べることができます。食後には、北京名物の「蜂蜜酸牛奶(ハチミツ・ヨーグルト)」を食べて北京の夜を堪能しました。