西安に行ってきた(8) ~ 雑感
西安は、日本人や韓国人だけでなく欧米人も多数見かけました。現地の人たちも、外国人に対して全く抵抗感がないと感じました。また、多くの中国人が観光に訪れている様子で、国慶節ということもあって町中は大混雑でした。
中国の都市は、どこにいっても人の多さに辟易しますし、交通渋滞は社会問題になっています。増え続ける人の輸送を支えるためには、もっとバスやタクシーを増やす必要がありますが、高所得者のマイカー利用が交通渋滞に拍車をかけています。特に西安は城壁に囲まれているため、どうしても城門で交通が滞るようです。
これに対応するには地下鉄しかないと思いましたが、現在6路線の工事中で、来年2011年には最初の路線が開通するそうです。鼓楼の下にある地下街にも工事現場の入り口がありました。
ところで、ちょうど今回の中国滞在は、釣魚島問題で中国側がヒートアップしている時期でした。日本では中国側の強硬な模様がニュースで流れていたようで、妻からは「頼むから一人であちこちいかないで」というメールが来ていたのですが、「日本で報道されているほど、中国の人たちは気にしてないから、心配しなくていいよ」という返事を返してました。
実際、普通に行動している限り、旧跡でも食堂でもホテルでも、日本人に対する敵対的な対応は見られませんでした。しかし、夕食に西安の地元料理を適当に食べた後、ちょっとお酒が飲みたくなって、目に入ったバーにふらっと入ってみたところ、ちょっと嫌な体験をしました。
店内の巨大スクリーンには「祝、国慶節」の大きな文字の下に、「注意:日本国籍の人は出て行ってください」とあり、天井を見上げてみると、「釣魚島は中国の領土だ」というパネルがぶら下がっていました。カウンター越しにウェイトレスと「日本人だけど大丈夫?」「中国語をしゃべってれば平気じゃない?」という会話をしましたが、長居は無用とビール一本で出てきました。
店を出るときにはウェイターたちの「日本人だ、日本人だ」というささやきが聞こえてきましたので、客が増える前に退出したのは正解だったようです。(会話はすべて中国語ですが、意訳しています)
そういえば、ホテルのそばの売店で水やらジュースを毎日買っていたのですが、そこで働いている女の子が学校で日本語を勉強したそうで、一生懸命日本語で話しかけてくれました。18才と言ってましたが、中国は数え年なので日本では17才になります。おそらく中学を卒業して、こうやって働いているのでしょう。
さて今回は、チケットの手配から現地の行動まで、すべて単独で行いました。チケット予約は、JTBチャイナのサイトを利用して、言葉の問題を回避しました。当初は、去哪儿という旅行チケット比較サイトで予約を試みていたのですが、申し込んだあとは携帯電話のSMSでやり取りする形になり、途中でSNSのやり取りができない期間があったため断念しました。
不覚にも地球の歩き方を日本に置き忘れてしまい、手元に旅行情報が無い状態でした。事前の情報収集にも時間が取れず、結局大連空港の売店で旅行ガイド(もちろん中国語)を買い、西安空港で地図を買い、それを当日検討する始末でした。
さらに、デジタルカメラやiPhone/HTC Legendの充電器を一式(小さなバッグにまとめてあります)を家に置き忘れてしまい、気づいたのが空港に着いてからで、取りに帰ることもできず、毎日バッテリーの残りを確認しつつ行動するはめになりました。デジタル一眼のバッテリが最後まで持ってくれたので助かりましたが。。
そうはいっても、自分としては、中国に関わってから掲げた「兵馬俑に一人で行く」という目標が達成できましたし、現地の人たちとのやりとりの中で中国語勉強の成果を感じられる場面も多々あり、満足感が高い旅行となりました。次は、もっと奥地に一人で行ってみたいと思ってますが、できれば3ヶ月くらい放浪したいです(いい年して、なに言ってるんでしょうか)。