直感が情報収集に意味をもたらす
大学生の就活相談をネタにした小さな座談会で話をしてきた。色んな話が聞けて、そこから自分の経験を話すことができて、とても良い時間だったな。
就職は自分で自分の人生に下す、最初の意思決定ではないかと思う。大学の選択も大切な意思決定だが、学費を出してもらううちは半人前だと思う謙虚さは欲しいね。
印象的だった質問が、
- 就活セミナーとか先輩などから話を聞いていくと、情報がドンドン増えていって、何が本当かわからなくなる。
というものだったけど、私は、
- 情報はただ集めても、実は何も残らない。人に会って話を聞いて、心に残ったものを大切にしたほうがいい。
- ただ、それはうまくいくこともあるし、悪い結果につながることもある。悪い結果になった時は、方向転換する必要はある。
と回答した。ここで、もう少し詳しく書いてみることにする。
情報をただ集めても何も残らない
就職や転職など、新しい環境に身を投じようとする時には不安になるもの。そんなとき、いろんな情報を集めて判断の助けにしようとするのは自然なことだね。
しかし、新しい情報を知ると新しい疑問が湧いて調べたくなるから、情報は集め始めるとキリがない。
これを防ぐために気をつけることは2つあると思う。
- 情報を集める目的を、はっきり決める
- 情報を集める期間を、いつまでと決める
目的=自分が何をどうしたいか、または自分は何を知りたいのか?を決めることで、入ってくる情報の評価ができるようになり、不要な情報を捨てることができるようになる。
また、時間を区切ることで、本当に大切な疑問に集中し、次々湧いてくる疑問を捨てることができるようになる。
人に会って心に残る直感を大切にする
自分の目的を意識して人に合うべきだが、かならずしも目的に合う人に限るひつようはない。もちろん、目的にピッタリの人に会えれば一番いいが、偶然出会った人や、たまたま会った友達から聞いた話がきっかけになることもよくある。
大切なのは、人と会って話をすることで、心の中の思いに気づくこと。入ってくる情報をスキャンするのではなく、その情報で心が反応したかどうかを、自分の心に手を当てて感じるのだ。
就活で言えば、出会ったOB・OGの好き嫌いや、会社説明会で知ったプロジェクト事例のワクワク感、あるいはマイナスの感情を持った点ですら大事にするといい。
直感を情報でチェックする
こうして人に会って感じたこと、すなわち直感を大事にすると言っても、不安になることがあるだろう。情報収集は、次の二つのケースで直感を信じられない時に役に立つ。
ひとつは、直感がずれていて不安を感じている場合だ。直感のままに動くと失敗につながるので、不安の原因を確かめたうえで、軌道修正したりなんらかの対策を打ったほうがよい。
もう一つは、直感が自分の中にある常識と相反している場合だ。常識がブレーキをかけるときは、たいてい自分の恐れがどこかにある。これを自覚して、やらずに後で後悔することがないようにしたい。
この二つを意識することで、直感に従うべきかどうかを情報を集めてチェックすることができる。
おわりに
私自身は、30代前半までは、情報に溺れて直感をおろそかにすることが多かった。その後、少しずつ直感を大切にするようになって、いまに至っている。
情報に溺れて何も心に残らない時間を過ごし続けるよりは、直感を大切にして心に残る経験を積み重ねて欲しい。
それが素敵な経験であればもちろんのこと、つらい経験であっても数年後にはたいていは自分の血肉になっているものなのだ。