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ALS患者高野元の日常と思考と回想

励ましやご連絡に対する私のスタンス

      2015/07/26

ALS患者であることをオープンにしてから、数多くの方から連絡を頂いたり反応していただいています。

大きく分けると、次の3つになります。

  1. 驚きました。何かお手伝いできることがあれば言ってください。
  2. ALSを直したという人がいるらしいので、がんばってください。
  3. 声をかけたいが、どう声をかけていいかわからない。

いずれも、気にかけて頂いているということで、とても嬉しかったです。
ただ、それぞれの反応対する私のスタンスがあるので、お伝えしておきたいと思います。

1. お手伝いしていただきたいこと

現時点ではこれから何が自分の身の周りに起きて、それに対してどのようなヘルプを依頼していけばいいのかはっきりわかっていません。なので、いますぐは「これを手伝ってほしい」とは言えないのです。

みなさんのスキルやマインドは、きっと将来私の役に立ってくれるはずです。しかし、通常のお付き合いで知っていることなら私からも声がけできますが、そうでないスキルや経験は教えてもらわないとわかりません。なので、そういった観点で一言添えていただけると、将来困って助けていただきたいときに思い出しやすくなります。

私の方から、もう少し具体的な方向性を示せればいいのですが、もう少し時間がかかります。もうしばらくお時間ください。

私のために良かれと思う情報や行動は、みなさんが思うようにしてください。そのすべてを私が受け入れるかは保証できませんが、やっていいかどうかを聞かれても今は答えられないのです。でも、私とみなさんがチームだと考えると、みなさんがなにか行動してくだされば、チームとして前進はしますよね。

2. 治療法に関すること

残念ながらALSは原因が特定されておらず、進行を止めて回復させる方法は見つかっていません。なので、進行を遅らせて、衰えていく体をどうサポートするか、という視点で付き合っていくしかありません。

なので、私は現在考えられる医療をベスト・エフォートで受けるスタンスでいます。

一方で、がんを始めとする重篤な病気に対して、通常の医療とは異なる治療法や考え方が多数存在しています。今回もその手の情報を提供してくださる方が、複数人いらっしゃいました。まずはあらためて、お礼申し上げます。

しかし、これからはその手の情報は無用でおねがいします。私も、病気の可能性を知った時からネット上で色々調べましたが、治ったという人を具体的に紹介する一次情報を見つけられなかったことが理由です。

もしお知らせ頂ける場合は、一次情報を教えて下さい。

なお、幹細胞移植で劇的な回復をしている事例が、END ALS HIROさんのブログに掲載されていました。

これは期待される最先端医療の一つであって、日本にいて取り組む方法を模索したい分野です。

3. 声がけを躊躇されている方へ

おそらくALSという病気が重すぎて、思考が停止しているのだと思います。その原因は「普通の人と違ってしまう。障害者になる。かわいそうだ。」という心情でしょう。逆の立場であれば、私も同様の反応になってしまうでしょう。

しかし自分がその立場になってみると異なる心情で、

  • かわいそうだと思わないでほしい。高野に新しい個性が発現したと捉えて、今までどおり対等に接してほしい。

と考えるようになりました。

もちろん障害箇所が増えていくので、助けてもらうことが増えていきますが、それは「仕事の不得意なところを手伝う」とか「体格に劣る人の重い荷物を持ってあげる」と行動の論理としては同じはずですよね?

わからないことが不安の原因になります。でも声がけしていただかないと、こちらからはみなさんの不安に対処できません。ご自分の不安から声がけを躊躇しているなら、その不安を乗り越えて声がけしていただきたいです。

当然ながら、健常者として通常の社会で普通にやりとりするように、その声がけを私が受け入れる場合も受け入れない場合もあります。でも、それは通常のコミュニケーションでよくある話であって、病気であることとは無関係ですよね。

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病気の告知を受けて、親しい友人に伝え、さらにこのブログでオープンにしてから、周囲にいろんな反応がありました。皆さんの反応に躊躇を感じることが多いので、上記のように私のスタンスを書きました。

私は「かわいそうな障害者」ではなく「健全な障害者」になりたいと思います。そのためにも、私という人間と個性を大事にしてくれる方と、末永く対等にお付き合いしていきたいので、あらためてよろしくお願い致します。

 

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