中国:春節について
中国では、先週は春節休暇でした。春節は旧暦のお正月ですが、日本のお正月の感覚とはかなり違うので、今日はその違いを紹介してみます。
まず、春節の期間は毎年変わります。年度初めに中国政府が決めるのですが、一ヶ月前になって変更されることもあります。2011年は2/1-2/3ですが、一昨年は1月末、昨年は2月中旬でした。
春節の前後は厄払いのために爆竹が鳴り響きます。以前、大晦日(旧暦、春節の前日)に大連市街の繁華街に観に行ったことがありますが、1万発の爆竹があちこちで鳴り響き、ビル街に反響してさしずめ市街戦のようでした。
マンションでも、それぞれの家が爆竹をならすため、昼夜分かたずどこかで鳴り響くことになり、安眠妨害になります。
また、この時期は花火も盛んです。大連では春節の終わりごろに星海広場で花火大会が開催されます。日本人にとっての花火は夏の風物詩ですが、この時期だと気温が-5度くらいのなかで見ることになりますから、ちょっと違和感がありました。
さて、国家休日は3日間だけですが、大抵の会社は国家休日を含めて、1週間から10日ほどを休日にします。2週間丸々休みになる会社もあります。
春節は、親類一同が集まってお互いに一年の無事を確認し、新しい年に向けて決意を新たにします。ここで、親類一同が集まるというところがポイントです。
中国では沿岸部が発展し、内陸部はまだまだ発展途上ですから、田舎から都市に出て働いている人も多いです。こうした人たちが一斉に帰省するのですが、国土も広く人口も多いわけですから、民族大移動状態になります。
飛行機は一ヶ月前にはほぼ満席になります。しかし、多くの人は飛行機には乗らずに、電車やバスを使います。飛行機代を払うくらいならすこしでも多くの現金やお土産を持って帰りたいからです。
電車やバスは、直前にならないと予約ができないため、予約可能日になると窓口は長蛇の列で大混雑するそうです。この時期になると、多くの社員がチケットを取るために半休をとっていたことを思い出します。
こうしてチケットをとっても、当日はそれ以上の大混雑です。帰省する人たちは、自分の体分もあろうかという大きな荷物を抱えているからです。全て、家族や親類絵のお土産です。特に農村部から出稼ぎにきている人たちの荷物は大きいですね。
人によっては、遠く離れた省の地方都市に帰りますので、帰省に二日間かかるような人もいます。往復でなく片道ですよ。
したがって、長い休みが必要になるのです。
春節の時期は、世の中の総経理を悩ませる時期です。
まず、年に一度の大切な休暇なので、十分に休みが取れないとなると会社への不満が通常の3倍増しで蓄積します。業務計画は、春節に食い込まないよう慎重に計画しなければなりません。
ついでにいうと、国家休日に勤務してもらった場合、給与は通常の3倍支払わないとなりません(労働法による)。
また、春節中には
- 家族に、会社の給料が少ないだのなんだの言われて、転職を考え始める。
- 自分でも仕事を振り返ってみて、そろそろ転職しようかなと考え始める。
- 家族と一緒にすごしてみて、そろそろ親のそばで暮らそうかなと考え始める。
ということで、転職の景気になることが多いのです。
とくに農村出身の工員を多く抱える工場経営者は、春節後にどれだけの社員が戻ってくるのか気が気ではないそうです。
今週になって春節休暇も開けました。新たな気持で新年を迎えられるといいですね。