イトーヨーカドーのキャッシュバックキャンペーン
最近は寒いとはいえ、ウールのコートだとまだ暑い日が多いですね。
秋口から使えるステンカラーコートを去年処分してしまい、新しいものを買っていなかったので急遽購入することにしました。
チラシの安さにつられて、今日近所のイトーヨーカドーで買うことにしました。
コート自体は手頃なものを見つけ、ついでに手頃なマフラーも一緒に購入できたのですが、何でもキャッシュバックキャンペーンで、購入金額の5-30%を割り引くということで、予定よりもかなり安い買い物ができました。
さて私は15000円ほどをクレジットカードで支払いましたが、その場で20%がキャッシュバックされたので、自分としては一円も現金を払ってないのに現金3000円が手にはいったのです。
これは、100%返済が約束されていて(クレジットカード会社リスクを取ってくれる)、利子0%の融資だなと気づき、「さてイトーヨーカドーは、このキャンペーンのためにいくら現金を用意するのか?」と興味がわきました。
で調べてみました。
ニュースリリースによれば、「12/4から三日間限定で、10億円分を現金キャッシュバック」となっているので、このキャンペーンのために通常の運転資金の他に、10億円が必要ということになります。
キャッシュバックのレートが平均で10%として、すべてのキャッシュバックが成立したとすると、キャンペーンによる売上押し上げ効果は100億円です。これはなかなかすごい。
で、イトーヨーカドーの年間売上を昨年の有価証券報告書で調べてみると、年間売上が約1.6兆円でした。
なので、単純に3日間の平均売上を概算すると、200億円 ≒ 1.6兆円÷120(≒365÷3) となります。
うーんそうか。10億の現金で、3日間の売上を50%増やすってことだな。
平日と休日、12月と他の月では売上に波があるはずなので、この単純なモデルでは限界があると思いますが、おそらく集客によるついでの買い物(アップセル)効果を加味すると、もっと売上拡大効果があるのでしょう。そうでなければ、金利の分だけ損失がでる施策になってしまいます。
上記の有価証券報告書によると、2008年度末の現預金が約1000憶円あるので、おそらくこのキャンペーンを行うことによるキャッシュ・フローへの影響は殆どないですね。
会計的にどう処理されるのかも気になります。
キャッシュバック金の処理は、売上からの減額なのか、販促費なのか。やはり販促費でしょうね。
国内の小売業は、ユニクロ独り勝ちと言われています。このように利益率を下げる施策を投じても、売上を確保しないとならない状況なのでしょうか。
小売業のビジネスは、よくわからないことばかりなので、もう少し勉強してみます。