ALS進行と療養の経緯(11)~2018年後半
この半年も、2018年前半と同様に比較的安定した時間でした。
積極的に社会参加したいという意識を強く持つようになり、そのための活動がある程度できたかな、と思える半年になりました。
身体の状態
7月に書いた今年前半の状態とあまり変わらないようです。
進行が止まったのではないか?と感じる時期もありましたが、さすがにそういうわけにもいかず、ゆっくりながら進行しています。
特に、下記の衰えは将来の不便につながるので、心配なところです。
左手の親指がほとんど動かなくなった。
ナースコールをここで押していたので、結構不便です。パソコンや足のバタバタ(まだ少し動く)が代替手段になるので、何とかなっていますが対策が必要です。
右手の人差し指は、ちょっと使うと痙攣するようになりました。
指は末端なので、ほとんど動かなくなってしまいましたが、手首や手のひらはまだ動くので、その動きを利用している状態です。
首の力がさらに落ちてきた。
後ろに倒れると自力では起こせなくなっていましたが、前に倒れた時に引き上げる力も弱ってきました。
まだ引き起こせますが、繰り返すと疲れてしまい、引き起こせないことが増えました。
足の力と反応が悪くなった
自力で立ち上がることはもちろんできませんが、うまく介助してもらえば立ち上がることができます。
それでも、足を伸ばそうと思ってから実際に伸びるまでのタイムラグが増えました。運動神経が失われてきたこともありますが、足の裏側(ハムストリングなど)の拘縮が徐々に進み、膝を伸ばすのが大変になってきました。
これは介助者の負担につながるので、そろそろ対策が必要になってきました。
飲み込む力が落ちてきた
誤嚥防止手術をしたので、口からミキサー食や刻み食を食べています。
飲み込みやすい形態なのですが、飲み込むために必要な筋肉の動きが落ちてきました。口の締まりも悪くなり、油断すると口からこぼれてしまいます。
呼吸機能
リハビリのおかげで、呼吸機能はほぼ維持されています。自力呼吸でも1200㏄程度を、強制最大肺活量も3600㏄程度を維持しています。
LICトレーナーはひきつづき週4日、訪問看護士・訪問リハビリ士・ヘルパーさんに手分けしてやってもらっています。この効果はとても大きいと感じていて、もっと患者仲間に広めたいのですが、そのためには医師やリハビリ士への啓もうが不足しており、そこが課題となります。
LICトレーナー研修会で、私を担当している訪問リハさんが事例紹介の発表をしたのは、大変うれしいことでした。
栄養管理
栄養管理もうまくいっていて、体重は66キロになりました。経管栄養と口から食べることで、一日1800キロカロリーを摂っています。ちょっと太りすぎなので、減らしたいところです。
介護・看護体制
今年前半と変わらない体制で過ごしました。家族介護の時間を減らしたかったのですが、対応が遅れてしまいました。それでも、仕込みが効いて来年前半は変化がありそうです。
車いすを新調しました
日常障害補装具として公的支援を受けました。
要件としては、
- スカラモービルに接続して、階段を昇降できること
- 頭を安定して支えられて、介護タクシーの振動でも倒れないこと
- パソコンを取り付ける専用台を備えること
- 呼吸器や痰吸引機(アモレ)を載せる台を備えること
いったところです。
川崎北部リハビリセンターに依頼し、コーヤシステムデザインに制作をお願いしました。コーヤさんの車いす「巧」をベースとしてカスタマイズしてもらいました。
以前の車いすは、首がとても疲れていたのですが、解消されました。パソコン代は、プレゼンするために作りましたが、視線入力が楽になりました。
社会参加の実際
今年後半の大きなトピックスとしては、鎌倉ツアーとオリヒメカフェです。
みんなで創る、神経難病患者と一緒に鎌倉に行こうプロジェクト
鎌倉ツアーは一年前に思いつき、4月ごろから準備して、10月14日に開催しました。患者仲間と遊び仲間とを混ぜ合わせるような形で60名を超える参加者で作り上げました。
この企画は友人のつながりで実現できましたが、その中で新しいご縁が得られたことも大きな収穫でした。
- 株式会社i-link-u 高野朋也さん
- 株式会社 ウェルネスツーリズムあいあい 桐山裕子さん
- 株式会社シアン 空力車のみなさん
彼らとは、来年以降も一緒に障害者ツアーを作っていきたいです。
メディアにもたくさん掲載していただき、それなりのインパクトがあったようです。
分身ロボットカフェDAWN β
オリヒメカフェは、オリィ研究所の吉藤オリィさんが企画した実験的なカフェです。試作機のオリヒメD(通称、デカヒメ)を外出困難者が遠隔で操作して接客するというものです。その操作者(パイロット)の一人に選んでもらいました。
こちらもたくさんのメディアに掲載されまして、私も取り上げてもらいました。
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講演の機会もいくつかいただきました。HeartyPresenterを開発したことで、自分自身の社会参加の機会を拡大することができました。その分HeartyPresenterの普及活動が後手に回ってしまいました。
7月
- 7(土) 日本ALS協会神奈川県支部役員会@横浜(神奈川県支部の記事)
- 8(日) ハーティラダーの集い@都立神経病院
- 15(日) 鎌倉ツアー下見
- 22(日) 第6回つながろ会@高津市民館(OEKATAの記事)
- 29(日) 実践者のための視線&スイッチ入力のシンポジウム in 出雲国fromBED@自宅(伊藤先生の記事)
- 29(日) オリヒメトラベル体験@自宅
8月
9月
- 16(日) さくら会年次総会@市ヶ谷(さくら会の記事)
- 23(日) 第8回つながろ会@麻生市民館(OEKATAの記事)
- 25(火) fromBED@自宅
- 29(日) 鎌倉ツアー下見
10月
- 5(金) オリィ研究所6周年パーティ@初台にてLT「重度障害者向けプレゼンテーションシステムHeartyPresenter+カスタムOrihime」(オリィさんのレポートビデオ)
- 6(土) 日本ALS協会神奈川県支部役員会@横浜(神奈川県支部の記事)
- 14(日) みんなで創る、神経難病患者と一緒に鎌倉に行こうプロジェクト本番(ブログ記事)
- 18(木) 川崎市福祉課ヒアリング@川崎市北部リハビリセンター
- 23(火) LICトレーナー取材@自宅(取材記事)
- 25(木) AmazonWebService社訪問
- 28(日) 第9回川崎つながろ会@てくのかわさき(OEKATAの記事)
- 31(水) ハロウィンフラッシュモブ@渋谷(うんちマンの記事)
11月
- 3(土) 日本ALS協会神奈川県支部役員会@横浜(神奈川県支部の記事)
- 10(土) 大学テニス部30周年パーティ@品川
- 13(火) 東京慈恵会医大看護学科講義「筋萎縮性側索硬化症患者の在宅療養生活の事例」(Facebook投稿)
- 14(水) 中日新聞取材@自宅(取材記事)
- 16(金) 介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット6周年記念シンポジウム@川崎
- 18(日) NEC研究所同期会@自宅
- 25(土) LICトレーナー研修会@東京ビッグサイト
- 25(土) 第10回つながろ会@高津市民館(OEKATAの記事)
- 30(金) オリヒメカフェ出勤@自宅
12月
- 1(土) 神奈川作業療法士会研修会講義「積極的な社会参加を目指す
私の療養生活 」@ウィリング横浜(県士会の記事) - 3(月) オリヒメカフェ出勤@自宅
- 4(火) オリヒメカフェ出勤@自宅
- 6(木) オリヒメカフェ出勤@自宅
- 7(金) オリヒメカフェ出勤@自宅
- 23(日) 第11回つながろ会@高津市民館(OEKATAの記事)
- 25(火) 忘年会@渋谷
- 30(日) 映画「ボヘミアン・ラプソディー」@イオンシネマ新百合ヶ丘
おわりに
おおくの方々のおかげで、家に引きこもることなく、かなり自由に過ごせるようになりました。
かかわってくださる皆さんに改めて深く感謝いたします。改めてリストを眺めると、もっとブログ書かないといけないと思いました(苦笑)。
そうはいっても進行性の神経難病です。いずれ、もっと体は動かなくなるでしょう。それでも前向きでいられるように、仕込みを続けていきます。
引き続き、皆さんのお力をお貸しください。来年もよろしくお願いいたします。