衆議院選挙にあたって思うこと
昨日11/16に衆議院が解散されて、ドタバタの中で一ヶ月後には衆議院選挙が行われます。
オンライン上で政治的信条を明らかにして議論するつもりはありませんが、今回の野田首相の決断には感じ入るところがあったので、ブログに書いておこうと思います。
進まない政治はおわりにして欲しい
今回の選挙の争点はいろいろあります。私が知っているものをざっと挙げてみても、次のように沢山ありますね。
- 財政: 消費税、赤字予算、国債発行
- 経済: 円高対策、デフレ対策、衰退産業への対応と産業振興
- エネルギー: 原発依存体質からの脱却
- 厚生: 生活保障
- 外交: TPPに代表されるアジア戦略、対中関係
- 安全保障: 尖閣諸島問題、竹島問題、原発の安全確保
もちろんほかにも沢山あるでしょうが、すべてが過去の意思決定や行動から生まれた問題の火消しになっています。
これまでの選挙では、この過去の課題に対する解決策の揚げ足取り、その犯人探しのような議論が繰り広げられてきました。課題は解決しないとならないので、議論自体は良いでしょう。しかし、いつまで経っても方法論の議論ばかりで実行されない。実行すれば当然うまく行かないところが出るので、反対派はそこをついて騒ぎ出し、結果として改善の歩みを止めてしまいます。
大切なことは、未来をどう描いて過去の問題をどのように解決するかだと思うのです。個別の課題に議論が終始してしまうと、局所解に陥ってしまって、いつまでたっても未来の話になりません。
どの政党がいいかという視点ではなくて、誰が未来を語っているか、誰がそこから演繹的に個別の議論をしているのか見極めたいと思います。
ゴールデン・サークルで考えてみる
最近良く使っている思考のフレームワークに、アメリカのコンサルタントであるサイモン・シネック氏が提唱している、ゴールデンサークルというものがあります。Whyを中心として、その外側に同心円上にHowとWhatの円を重ねていくものです。何がやりたいかというWhy、実現までの戦略であるHow、その戦術としてのWhatという関係になります。TEDでの講演があるので下記に紹介します。また、書籍もあるので文末に紹介しておきます。
一般的な思考法をこのモデルに当てはめてみると、What ⇒ How ⇒ Whyの順番であることが多く、Whyが後回しになることで共感を得にくく、環境の変化に流されやすくなります。これでは長期的な成長や大きな課題の突破ができず、成功には繋がりません。
一方、成功する起業家に共通しているのは、Why ⇒ How ⇒ What の順番であるそうです。何がやりたいかというWhyがしっかりしていると、実現までの戦略であるHowが明確になり、さらにその戦術としてのWhatが明確になるのです。
ブレないことが大切とはよく言われますが、それはWhyが明確ということになります。またWhyはビジョンと言い換えることができますが、このビジョンが共感を集めますし、環境が変化しても粘り強く対応するモチベーションの原動力となります。
選挙に行って投票しよう
さて、選挙という文脈で考えてみると、政治家の政策はWhatやHowに当たります。区別をしにくいので、Whatは個々の政策で、Howはよりよい国政や市政につながるストーリーと考えてもよいでしょう。
Whyから考えられたストーリーは、WhatからWhyを理解したり感じたりしやすいものですが、Whatから作られたWhyは脆いものです。政治を目指すのはとても勇気がいることで、基本的には尊敬に値しますが、その人なりのWhyが何かを見て・感じて、投票する政治家を決めたいものです。
政治に対する不信感を理由に投票を放棄することは、民主主義の権利を放棄し、未来への参加を放棄することではないでしょうか。国を改革するスーパーマンが突然現れて諸問題を解決してくれるかもしれない、と漠然と思っても何も変わりません。
このブログを読んでいただいた方は、ほとんどが私の友人たちだと思います。いま行動している人の中から少しでも共感できる人を選ぶために投票に行きましょう!