富士山に登ってきました(2) ~ 五合目から本八合目まで
【五合目から七合目まで】
登山の途中、時間に余裕がなかったため、休憩時間にも何時に何をしたという記録がとれず、特に七合目を過ぎてからは急速に苦しさが増してきて記憶が曖昧です。誤解やズレがあるかもしれませんがご容赦ください。
覚えている経過と状況を以下に書いていきます。
まず、富士吉田口五合目のスタート地点で、標高2000mを越えており、すでに高地未体験ゾーンに突入していました。六合目の安全指導センターまでは緩やかな坂道で、天気も曇りで暑すぎることもなく、快適なハイキング気分でした。
六合目からはだんだんと坂が急になり、やっと登山らしくなってきました。ガイドさんからは「大体15分歩いて5分休憩のペースで進みます」と言われており、なんとかなるかなと思っていましたが、六合目から七合目までがまず遠い。
いま地図を見返してみると、たった400mを登るだけで、登山道は約20回の折り返しになっています。これをクリアするのに、休憩を入れて1時間強かかってます。この区間には山小屋はないため、ひたすら登るしかありません。
七合目に入ると山小屋が出てくるので、最初の山小屋をスキップして、次の山小屋でトイレ休憩を取りました。これが15時半過ぎだったと思います。その後も一つまたは二つおきに休憩を取りつつ登って行きました。
七合目は約200m程度の高低差の中で7件の山小屋があるので、ひとつ飛ばしなら約30~50m登るごとに休憩なのですが、それでもだんだんきつくなってきます。七合目を過ぎたあたりで、ガイドさんから「さあ、ウォーミングアップ完了ですよ」と言われたときは、この先どうなるのかと思いました。
【七合目から本八合目まで】
七合目の最後の山小屋から、八合目までは約200mほどを登ります。200mなんて平地ならすぐですが、勾配が急な岩場が多くて足に負担がかかり、ちっとも上がっていかない感じです。太ももに負荷がかかり酸素を要求するのですが、そもそもその酸素が薄いので深呼吸してもしても足りない。
みんな無駄口を叩いている余裕はなく、黙々と足を進めます。私はこのころから「鼻から吸って口から吐く」呼吸のリズムを整えられるようになりましたが、軽い頭痛を覚え始めました。友人たちも同様だったそうです。
四苦八苦して登っているうちに、上の方に八合目が見えてきました。そうなると、苦しい中でも気力がわき、なんとか八合目最初の山小屋に到着し、休憩を取りました。これがおそらく17時過ぎだったと思います。なお、八合目の標高は3100mなので気温が下がり、防寒のためにレインスーツの上着を着ました。
八合目の入り口には到着しましたが、我々が泊まる白雲荘は、さらに300mも上にある「本八合目」にあるというではないですか。「マジかよ!」と叫びたくなる気持ちを抑え(※)、「あと300m頑張ろう」と心にムチを入れて、再び登山開始です。
※E君が入手した「富士登山成功の心得」に、「否定的発言は気力を奪うので、前向きな態度をとろう」とありました。通常のマネジメントで当たり前に言われていることと思いましたが、事前に読むことで、登山途中の苦しい時に思い出す効果がありました。
さらに1時間半かけて、ようやく白雲荘に到着しました。ここに辿りつくまでは、ほんとに息も絶え絶えで周囲に気を配る余裕がありませんでした。到着後に、登山靴を脱ぐためにベンチに腰掛けましたが、すぐには立ち上がれなかったほどです。
山小屋に入ると、まず仮眠用の簡易ベッドに案内され、荷物をおいた後に夕食です。夕食はレトルトのカレーでした。お茶は一杯は無料ですが、おかわりは有料となっていました。
食後に少しストレッチをしたあとは、ベッドに戻り明日の準備をして8時には就寝しました。こんな早く寝られないと思いましたが、かなり疲れていたので、すぐに寝ることは出来ました。ただ、一人当たりの面積がとても狭かったので、仮眠が十分に取れたわけではありませんでした。