引越ししました
12月中旬に、13年あまり住んだ戸建てから、マンションの1階に引越しました。
同じ町内の1丁目から4丁目への移動で、最寄りは隣の急行停車駅になりました。
駅からは少し坂があるものの、ほぼ平坦な道を健常者なら徒歩6分程度の距離になります。
引越しの理由
旧宅では、寝室・書斎がある2階にはもう上がれないし、玄関前にも階段があったため外出には階段昇降機の利用が必須で、活動の制約になっていました。また、車いすの友人を家に呼ぶことも、告知された方が我が家の見学に来るのも、難しいままでした。
さらに、高齢で足の悪くなった母も、いずれ階段が上がれなくなることが予想され、その対策も必要でした。
こうした状況で戸建てに住みつづけるのは難しく、できるだけ生活が楽な環境にできるマンションを探すことを決断しました。
そう決めると、
- 住みやすいマンションを見つけて購入して、リフォームする。
- 旧宅を売却する。
- 息子二人の部屋は用意できないので、出ていってもらう。
3つのアクションが必要になりました。それぞれ説明します。
物件選びの条件
まず考えたことは、訪問サービスを一切変えないことでした。これまで長い時間をかけて生活を整えてきましたが、結構な無茶を言って対応策を一緒に考えてもらいました。これが当たり前と思ってきましたが、周りの話を聞くと、どうも当たり前では無いようで、安易に引っ越すと生活の質が維持できない恐れがありました。
川崎市麻生区は、東京都狛江市に食い込む形で存在しており、町田市と同じくらい謎な市政区分です。とはいえ、川崎つながろ会会長としては、川崎市以外に住むわけにはいきませんね(笑)
※ なお、川崎つながろ会は、参加者の住所は限定していません。
また、
- 車いすで外出しやすくするために、駅まで徒歩10分以内でできるだけ平坦な道であること
- 避難に手間がかかるため、ハザードマップで水害の可能性がないこと
は必須条件としました。
そんなわけで、新百合ヶ丘駅を中心に、小田急本線沿線と小田急多摩線沿線で探すことになりました。ただ新百合ヶ丘駅近辺は、物件が高すぎて手が出ないので、最初から除外でした。
物件決定までの経緯
引越しを決める少し前から、物件はどんなものがあり、どのくらいの相場なのかを調べ始めました。マンションに住んだことがないので、生活のイメージがなかなか掴めませんでしたが、いろんな本やWebメディアに目を通しました。
特に参考になったのは、ちきりんさんが中古マンションを購入してリフォームしたときの記録でした。結果だけではなく、そこに至るまでの考え方とプロセスが書かれていたので、追体験しやすかったのです。
引っ越しを決心してからは、友人の不動産会社に連絡を取り、物件の紹介と見学の手配をお願いしました。スーモなどの仲介サイトを使えば物件ごとの連絡は取れますが、地味にめんどくさいので大変助かりました。
小田急本線沿線の物件をいくつか見ました。小田急本線は多摩丘陵の麓というか谷底を走るので、付近の物件は斜面に立っているものが多く、車いすには不便でした。また、平坦なところというか谷底にある物件は、付近に川があるわけでハザードマップでは浸水の可能性がありました。なので、選択肢としては除外しました。
一方、小田急多摩線は多摩丘陵を切り開いたエリアなので、水害の心配はありませんが、起伏は結構あります。いくつか物件を見ましたが、平坦な道のりが確保できるマンションは限られていました。もうそのいくつかのマンションで物件が出てくるのを待つしかない、と腹を決めました。
こうなると忍耐あるのみですが、7月にそんな物件が出てきて購入を決めました。1年くらいは待つつもりだったので、幸運でした。
余談ですが、この1年で中古マンション市場は強気になり、どんどん上昇していきました。見学したある物件は、イマイチのリフォームを行って一千万円ほど値段を上げて、すぐに売れていました。
リフォームの経緯
前の所有者は17年ほど住まわれていたので、リフォームは必須でした。下記のようなところを直しました。
- 壁紙の全面張り替え
- 和室を介護仕様に作り変え
- リビングと介護室には床暖房を設置
- コンセントなどのプラスチック類を交換
- キッチン周りの改修
和室の介護室への作り変えは、かなり考えまして、
- 押し入れを撤去
- 壁の2面を扉に変更(1面は折戸、1面は引き戸)
- 畳を床に変更
しました。
押し入れは、ヘルパーや訪問看護さんが触りにくいので、妻に尋ねることになってしまいますし、私も物品を把握しきれません。なので、取っ払ってしまって、みんなが状況を把握しやすい壁面収納にしました。
また、壁2面を扉にすることで、車いすが楽に移動できるようにしました。特に、リビング側の扉を折戸にして、大きく開くようにしました。
畳は水害に弱いので、迷わず床に変えました。
息子二人の引越し
6月の頭に、「きょうからもう帰らないから」と息子二人は出ていきました。
というのも、ふたりとも都心に通勤・通学しているので、二人で自活しろと正月明けに言い渡したのですが、ようやく新居の最低限の生活環境が整ったようです。
親は一切手出しするなと妻にいい、アパート探しから契約、電気・ガス・水道・ネットなどインフラの契約、机やベッドなどの購入と受け取り、住民票の移動など、全部自分たちでやっていました。
「社会の仕組みを全然知らないことがわかった」と言っていたので、少しは親のありがたみもわかったでしょうね。
ALSで重度障害の親であることが、無意識に彼らを縛っているかもと思い、タイミングを見計らっていたのです。病気にならなければ、もっと早くに追い出す予定だったこともあります。ようやく実現できました。
旧宅について
さて、住まなくなる旧宅は売りに出すことにしましたが、新居に入居して落ち着いてから考えればいいと、のんびり構えていました。
ところが、あるマンションを見学した際に「なぜ売るのですか?」と聞いたところ(実はこの質問は全ての物件でしていました)、「戸建てに住み替えたい」という方がいて、結局その方が買ってくださる事になりました。
思い出を少し紹介しますと、この分譲地は造成計画のうちに完売した人気の場所でした。大手デベロッパーの分譲地は高くて買えないので、地場の不動産屋にアンテナを張りまくって2年越しで出てきた物件でした。
そんな環境でしたから、ご近所のみなさんはおおらかで、子どもたちはもちろん大人も行き来する、昔の長屋のような場所でした。
新たに購入したもの
ハイセンス製の50インチ4Kテレビを購入しました。決め手は値段です。8万円しませんでした。いまさらですが、日本の電機メーカの経営が傾くわけですよね。
ハイセンスといえば、15年ほど前に中国で仕事をしていたときは、中国の一般大衆向けの安かろう悪かろうの液晶テレビメーカでした。いまや、東芝のレグザを買収して技術的にも優れたメーカになっているようです。
ルンバe5を購入しました。旧宅は床部分の面積が小さくて、導入に踏み切れなかったのです。新居は床部分が広いので、掃除も大変だよね、と心に言い訳をしました。
エアコンは、パナソニックのナノイーXシリーズで新調しました。エアコンも進化してるんですね。
近所の家電量販店で見積もりしてもらったところ、予算では購入希望の機種からグレードダウンしなければならなかったので、結局ネットで設置工事込みで購入しました。
そのほか、アマゾンのウィッシュリストで引越し祝いを募ったところ、たくさんの方からご支援いただきました。ありがとうございました。
不動産仲介はKプロパティーズにお願いしました今回、新居の購入と旧宅の売却は、友人の会社である「株式会社Kプロパティーズ(東京都港区)」にお願いしました。社長の倉田さんは、遊び仲間の一人で人柄も仕事ぶりも信頼していましたので、安心しておまかせできました。また、リフォームの工務店も紹介してもらいました。 Kプロパティーズは、個人向け不動産売買だけでなく、法人向けのビル売買・オフィス仲介なども手掛けています。口コミだけの営業で経営が成り立っているとのことなので、興味をお持ちの方は私までご連絡ください。 |