【応援】離れた家族をつなぐデバイス「まごチャンネル」

サービス・技術・ガジェット

僕にとっては若めの友人である梶原健司さんが、長い潜伏期間を経て株式会社チカクを創業し、「まごチャンネル」というサービスを立ち上げました。

先日のオープンハウス(※注1)に来てくれて、まごチャンネルのデモをしてくれたので、ご紹介がてら感想を書いてみます。

なお、発売前なので写真撮影は遠慮しまして、株式会社チカクのプレスキットを使わせてもらいました。

まごチャンネルの概要

まごチャンネルのプロダクトサイトにあるキャッチフレーズは、

スマホで撮った子どもの動画と写真が
そのまま実家のテレビへ。

信じられないくらい手軽に、子どもの日常を
実家のおばあちゃんおじいちゃんに届けます。

とあるのですが、もうこのままのサービスです。

中心となるのは、家をかたどったという、TVと繋いで使う端末です(下記写真参照)。

lightこの端末を実家のテレビにHDMIケーブルで繋ぐだけで、あとはいつも使っているTVリモコンで操作できます。

一方、スマホに慣れたパパ・ママは、専用のアプリで子供の写真や動画を撮るだけで、自動的に実家の端末に送信されます。

_DSC7231

もちろん、細かいデザインや機能上の工夫を積み重ねて作られています。たとえば、動画が届くと家の形をした端末に窓型のランプが点くとか、無線機能内蔵とか。

そのほかの説明はプロダクトサイトをぜひご覧ください。

まごチャンネルのWHY

淡路島ご出身の梶原さんは、大学入学から今に至るまで東京にお住まいで、実家に帰るのは年に2-3回程度。ご自身がおじいちゃん子だったのに、自分の子供とおじいちゃん・おばあちゃんが触れ合う時間が少ないことがずっと気になっていたそうです。

多くの方がこの問題に直面し、電子メールなどで送っても長続きしないことに悩んでいると思います。かくいう私も、実家がネット環境を整備できず、ずっと子供の写真を紙の写真で送っていました(もう10年以上前のことです)。

でも、そういう写真はかしこまったものになりがちです。一方、離れて暮らすおじいちゃん・おばあちゃんは、そういう写真も嬉しいですが、もっと素の様子を見たいようです。それが動画ならなおうれしい。

そんな背景があり、少しでも自分の親にビビッドな孫の様子を、手間をかけずに伝えて、喜んでもらいたいと考えたそうです。これがWHY(※注2)。

すでに現役パパ・ママ世代は、あたりまえにスマホを使って、子供の動画をとっていますが、そのひとつ上の世代はなかなか使いこなせないわけです。そこにある大きなギャップを埋めるデバイスを用意するというのがHOWで、その具体化にあたって積み重ねたWHATはプロダクトサイトをぜひご覧ください。

デモを見た感想

自宅の42インチテレビに繋いでデモしてもらいました。普段ならスマホで見ちゃうであろうショートムービーが、自宅のTVで見るとこんなにインパクトあるのか!というのが正直な感想です。

150824_magoch0210843

インパクトの原因は、単純に映像サイズが大きいだけでなく、普段使いのTVとリモコンで操作できるリラックス感です。

デモは梶原さんのお子さんをとった動画でしたが、我が家の息子達の幼年期であれば、その嬉しさは想像できます。また、おじいちゃん・おばあちゃんの喜びは言わずもがなでしょう。

reaction

ALSほか重度障害者も使えそう

新しいものを見ると、自分が活用できないか考えてしまいます。

外出が難しくなる障害者にとって辛いのは、行きたい場所になかなか行けないことのほかに、社会との接点が希薄になることだと思います。

SNSは友人たちの日常を通じて疑似体験ができますが、たまには自分のためにガッツリ動画をとってほしいなと思うことがあります。

まごチャンネルのアカウントを電子メールアカウントみたいなものと考えれば、電子メールの代わりに、ビデオメールをまごチャンネルに送ってもらうといいのかな、と思いました。

おわりに

まごチャンネルは、初期のプロトタイプの段階からユーザテストを繰り返したそうですが、例に漏れず多くのテスターの反応は完成度に向けられることが多く、なかなか継続して触ってくれなかったそうです。

しかし、バグだらけのスライドショーのプロトタイプに食いついて、くり返し使ってくれたご夫婦が一組いたことで、プロダクトの価値を信じて開発を続けられたということです。

これもリーン・スタートアップの教科書事例ですね。

さて、このまごチャンネルですが、クラウドファンディングの締め切りが昨日まででした(最後にゴメンナサイ)。なんと、当初予定額の5.7倍を調達しています。

また、IT系各種メディアや、WBSトレたまなどTVニュースにも取り上げられています。

欲しい!と思った方は、来年の4月以降の発売を首を長くして待ちましょう。

脚注

  • (※注1) オープンハウス
    高野の友人限定で自宅に遊びに来ていただく会。どういう人が参加するかは直前までわからない。
  • (※注2) WHY
    サイモン・シネック氏が提唱するプロダクト企画のフレームワークである、WHY-HOW-WHAT構造の根幹部分のこと。TEDの講演「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」で有名。