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ALS患者高野元の日常と思考と回想

Tシャツの摩擦

   

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もうサラリーマンじゃないし、お客様先に出向くこともないし、ラクなのでほぼ100%Tシャツで過ごしています。襟ぐりが大きいVネックのTシャツを愛用しています。

そんなTシャツの脱ぎ着ですが、みなさん無意識に気軽にやっていると思います。

でも、体の各所が弱ってくると、なかなか工夫がいるので、そのあたりの話を書いてみます。

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まず、Tシャツを着るときですが、裾に手を突っ込んで、袖口を探しますよね。

指先に力が入りにくいと、裾をつまむのに一苦労するんです。で、なんとか裾をつまんで隙間を作ったら、そこから一気に肩口まで手を突っ込みたいところです。

でも、指先をピッととがらせる力が弱いので、Tシャツの生地が指先に纏わりついて、なかなか先に進んでくれません。ここでグッと指先を踏ん張ると、今度は生地の摩擦が手首にかかって、耐え切れずにグラグラしちゃうんですよ。

しょうがないんで、もう片方の手で生地をたくしあげ(さげ?)ながら、手先を袖口まで誘導します。

そうこうしているうちに、なんとか両手を袖口に通したら、今度は襟ぐりに頭を突っ込まないといけません(僕は、子供の頃からこの順番)。

しかし、、、今度は生地が肩口に絡まって、頭のある位置まで襟ぐりを引っ張ってくるのに一苦労です。通常の腕力があれば、肩口の摩擦に打ち勝って生地を引っ張れるんですがね。さらに、右腕はうまく上がらないので、生地を引っ張れるのは左手だけです。さらに難易度が増すので、介助が必要になりつつあります。

さて、ようやく両腕と頭をTシャツに突っ込むと、裾を下ろしていかないとなりません。

ところが、シャツの生地がくるくる巻かれている状態なので、引っ張ってもなかなかほどけてくれません。夏場の風呂あがりなんかは、汗で摩擦力が強化されるので、さらに力が必要になります

ここは手伝ってもらったり、絡まりを少しずつ摘んで引っ張りながら、何とかほどいてたるみを整えて、ようやく完了です。

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さて、今度はTシャツを脱ぐ時の話です。

ぼくはもともと、襟ぐりを背中側から上に引っ張って頭から脱いでいくんですが、右腕が肩より上に上がりにくいので、左手一本で引っ張り上げることになります。

シャツが乾いていれば、この動作も何とかできるんですが、夏場に汗だくになった状態ではちょっと無理です。しょうがないので、介助を頼むことになります。

ただ、頭さえ脱いでしまえば、あとは両腕から脱いでいくだけなので、まだ自力で何とかなっています。

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高校物理の力学の授業で、世界は重力と摩擦力で成り立っている、という話を聞いた記憶があります。

Tシャツを例に出しましたが、服の脱ぎ着全般において、摩擦力との戦いの日々なのであります。

重力の話は、またそのうちに。。

 

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