IAF ASIA Conference 2014に参加しました

フューチャーセッション, 創発生活

8/13-16の日程でシンガポールで開催された、17th IAF Asia Conference Singapore 2014 に参加してきました。

IAFとはInternational Association of Facilitators の略で、結成して今年で20年になるグローバルに活動する組織ということです。実はファシリテーターの友人に誘われて、IAFという組織もIAF Asia Conferenceの立て付けもよくわからないままに参加してきました。

なぜよくわからないままに参加したかというと、

  • ファシリテーターの大会である
  • アジア圏の各国から参加者が来るらしい

の2つが「絶対参加すべし!」という直感につながったためです。

さて、参加してみての感想をいくつか挙げてみます。

(1) 多国籍な参加者を盛り上げるカンファレンス設計が素晴らしい

アジアを中心とした16カ国から、100名前後のファシリテーターが参加していました。開催国のシンガポールはもとより、日本・台湾・中国・オーストラリアの参加者が多く、韓国からも増えているようです。

多様なバックグラウンドをもつ参加者をあの手この手で交流させる仕掛けがあります。カンファレンス・チェックインは時間がかかるので、4色に色分けされたTシャツを来て、それぞれのアクティビティに別れます(シャワーのため中止でしたが)。

オープニングセッションでは、体操から始まり、自己紹介と他己紹介と、ファシリテーターらしいアイスブレーキングが続きます。その後、予め渡されたバッチに従い仲間を探し、これがホームグループになります。

ホームグループでグループのミッション定義ワークをして、毎日の振り返りを通じて友好関係を深めることができるようになっています。さすがファシリテーター・コミュニティ。

(2) ファシリテーターのコミュニティは実にパワフルで温かい

参加者の中で英語が第1言語なのは、アメリカ・オーストラリア・シンガポール、くらいでしょうか。シンガポール英語はSinglishと言われるくらいで、最初は全く聞き取れず。多くの参加者が第2言語として英語を話しているので、お互いに意思の疎通ができたりできなかったり。

 自分の英語力では正直なところ込み入った話が難しいのですが、ゆっくり話しても待ってくれるし、まわりがキーワードを拾って補ってくれるので、実に楽しくディスカッションできました。さすがファシリテータ・コミュニティ。

GALA NIGHTというパーティでは、もうみんなが踊りだしてました。下は20代から上は70代ですよ。こういった雰囲気も、上述の言葉を越えたコミュニケーションに役立っているのだと思います。

実は今回は足の具合がひどく悪い状態で、杖を使って参加したのですが、多くの人がサポートしてくれました。国籍とは無関係な、人としての暖かさを感じる事が多かったですね。

(3) グラフィック・レコーディングは言葉を超える

 21のワークショップが開催されて、参加者は興味がある者に参加する形になっています。今回はほとんどのセッションにグラフィック・レコーダーがついて、セッションの内容を素晴らしいアウトプットとして残してくれました。

テキストや写真での報告書も役に立ちますが、言葉を超えたライブ感をわかりやすくシェアするという意味で、このグラフィック・レコードが果たした役割は大きいものでした。

もちろんセッションの進行中にも参照できるのですが、英語が??という時に流れを見直すのに役に立ちました。

(4) 日本人ファシリテータの存在感が思っていたより高い

 21セッションのうち、7セッションが日本人ファシリテータによるものでした。日本にはFAJ (Facilitators Association of Japan : 日本ファシリテーション協会)があり、10年以上の活動を継続されてきたそうです。こうした活動がコミュニティの成長につながり、IAFでも認められるようになってきているということです。

また、2時間枠でのワークショップの価値を高めるために、メッセージを明確に設定して、時間通りにアウトプットに繋げる日本人ファシリテータに対する評判は高かったと聞きました。皆さん素晴らしいです。

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初めての参加なので、過去に何度も参加している方からすると誤解や認識不足もあるかもしれません。自分も繰り返し参加して、コミュニティに馴染み、発展に貢献できるようになりたいと強く思いました。

国というバックグラウンドが異なる人々が、ファシリテーターという記号で集まり、再会を喜び、新しい出会いを楽しむ、という雰囲気は素晴らしいものでした。常にフラットに一人ひとりの意見を引き出し、対立を解消し、共通のゴールを設定するというファシリテーターならではのカンファレンスでした。

この、多国籍でフラット、違いを認め合いお互いに学び合うというアジアのコミュニティは、自分がいつか探しだして参加したいと思っていた場所そのものでした。

詳細に興味がある方は、上述のカンファレンス・サイトならびにFBページを眺めると雰囲気がわかると思います。引用した写真もこのFBページから拝借していますが、これは参加できなかったメンバーに雰囲気を伝える意味もあるそうです。シェアの精神で、ファシリテーターのコミュニティらしいです。

来年は8月23-24日にインドのムンバイで開催と決まりました。たくさんの新しい友人たちと再会を約束したので必ず参加します。これからの一年の成長を思い描き、今から楽しみです。