[読書] 資本主義の終焉と歴史の危機
成長戦略というコンセプトに無理があって、これが社会の閉塞感の原因になっているよなと以前から考えるようになっていて、この本を読んでみました。
- 資本主義は、周辺への進出によって規模の拡大と固定費の削減を図る手法
- その一環であるグローバリゼーションは、16世紀以降の帝国主義の時代から地球規模に行われていること。
- もう、地球上には進出すべき場所が殆ど無い(アフリカにもすでに手がついた)
- 成長できない環境で成長戦略を打ち出すとバブルが起きる
バブルは、仕掛ける側が仕掛けを知らない人たちから搾取する構図ですね。大企業が下請け企業を搾取するのも同じ構図です。これが続くと社会不安が増大して安心安全な社会から遠ざかります。
筆者は、ゼロ成長=定常状態、にいち早く到達した日本には新しい社会システムに移行するチャンスがあるが、膨大な国債への対応を考えないとそのチャンスを失うかもしれないと言ってます。
また、新しい社会システムについての言及はないですね。これは、これまでの概念の延長ではなく、自分も含めて一人ひとりが考えていきたいところです。