ピース又吉@NHK仕事ハッケン伝を見た
宋文洲さんが出演していることもあり、最近始まったNHKの仕事ハッケン伝をときどき見ています。毎週木曜日20時からの45分番組ですね。
前回見たのは、ペナルティのワッキー(敬称略)が餃子の王将にて、ナベを振ってレバニラ炒めをお客さんに出すまでの修行ストーリでした。集中力が違うので、芸能界で生き残っているだけのことはあるなと感心しました。もともと彼は、市立船橋高校サッカー部で全国大会にも出た人ですからね。
さて昨晩6/9の放送は、ピースの又吉(敬称略)がローソンでコピーライトをするというものでした。実は彼のことはあまり知らず、息子たちからも「なんか変」という印象を聞いていたので、なんでこいつら売れてんの? という見方をしていました。又吉はしゃべりもゆっくりで、会社にいたらイライラするタイプに見えましたが、この番組を見て印象が変わりました。
お題は、女性向けの新商品パスタランチのコピーを考えるというものでした。課長さんに厳しく指導されて、店に出てお客さんを観察、街に出てターゲット層の女性たちにヒアリングを繰り返します。
で、できたコピーが、
末っ娘が生まれました。かわいがってください。
命名:ショート生パスタ{双子です}。
というものでした。ここにいたるまでの経緯と、又吉の朴訥なしゃべり、そしてプレゼンを聞いている宣伝部女性社員の反応とセットでないと伝わりませんが、見ていて感動するコピーでした。
TV番組なので実際の苦労は編集でカットされていますが、これを見て商品開発の基本を抑えているなと思ったのは、下記3点です。
- お客さんをていねいに観察して、事実をありのままに受け止める
- 事実のなかからエッセンスを抽出して、アピールポイントを用意する
- 奇をてらいすぎず、お客さんがうけとれる方法でアピールする
ちょっと抽象的ですが、主張すべき尖ったところが必要ですが、それを押し付けると受け取ってもらえませんよね、ということです。最初の観察は、すごく地道な作業で、私もすぐにフィルタを掛けてしまうんですが、彼はそれがなかったように見えました。また、しゃべりは朴訥としていましたが、ストーリがしっかりしていたので、すーっと腹に落ちました。
このあとにも大きな課題を与えられて役員へプレゼンするのですが、プレゼン資料が紙に手書きで、書画カメラでした。きっとパソコンでプレゼン作るなんてやったことないんだろうと思います。普段パワーポイントを見慣れた目からすると、最初は違和感がありましたが、すごく味がありました。でもプレゼンは中身と感性だなとあらためて痛感させられました。
又吉は、芸能界でも有名な読書家ということでした。おそらくその蓄積が、言葉を活かすバックグラウンドになっているんだと思います。芸人って、やっぱり侮れませんね。今回はとっても感心しました。
そういえば、この又吉も、サッカーでインターハイに出場しているんだそうです。面白いですね。