アリババはSofu(捜狐)の検索エンジンに投資

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ちょっと前ですが、Alibaba Doesn’t Need Yahoo as Partner Without Search Technology, Wei Says – Bloomberg という記事を読みました。
これによると、
・ アリババにとって、Yahooとのパートナシップの理由は検索技術の所有にあった。
・ Yahooが検索技術を放棄したいま、パートナシップを維持する理由がない。
ということで、すでにSofu(捜狐)の検索部門であるSogou(捜狗)への投資を行っているそうです。
つまり、アリババはYahooチャイナのてこ入れではなく、Sogouの検索技術を使用することにしたということですね。残念ながら、8月頭に書いたエントリの予測は外れてしまいました。
というわけで、Sogouの検索技術はどの程度のレベルに達しているのだろうか、ちょっと調べてみました。
□ シェア 0.8%(2010 Q2)
(参照) 2010年Q2中国検索エンジンシェア
□機能
百度、Googleとほぼ同じく、下記機能を備えている。
ニュース / Webページ / 音楽 / イメージ / ビデオ / 地図 / Q&A / 掲示板
※ Webページは100億ページ収蔵、毎日5億ページ更新と書いてありますね。
□多言語化
日本語で検索すると時々日本語ページが出てくるが、公式には対応していない。
意外と健闘しているという印象を受けました。
しかし多言語化への投資が不十分だし、日本・韓国への進出をしているわけでもないので、中国国内しか視野に入っていない様子です。
さて、アリババ/タオバオのようなECサイトが検索技術に投資する理由は大きく二つあって、
(1) 大量の商品の中から、ユーザニーズにあった商品を上位にヒットさせること
(2) トラフィックを集める検索サービスから、商品購入へ誘導すること
にあります。
Sofu/Sogouは、いずれにおいても将来に向けたパートナシップということになりますが、一定の成功(シェアの5%が現実的な目標でしょう)を収めるには道が遠いそうです。アリババ/タオバオのトラフィックを活かしてシェアを拡大する場合は、タオバオのポータル化が前提になりますから、Soufuと競合してしまいます。
広告売上に関するデータを見てみると、もう少し興味深い事実が分かります。
これによると、アリババの広告売上はポータルサイトの新浪(Sina)に迫っており、その先の谷歌(Google)も視界に入っています。ポータルサイト大手の捜狐(Soufu)と合わせると、百度について2位になりますので、これからも成長が見込める中国ネット業界でのプレゼンスを大きく確保できます。
中国では、トラフィックベースのシェアではまだまだ成長と競争のチャンスが見込めるので、まだ合従連衡の時期ではないと思いますが、この二社が今後どのような連携を図るのか大変興味深いです。
中国インターネット市場について、まだまだ勉強が足りないと感じた次第で、これからも継続して調べていきます。