中央電視台映画「文化戦車」と青海省玉樹地震
帰宅してTVをつけたところ、CCTV6(中央電視台6番)にて、「文化戦車(中文: 文化战车)」という映画をやっていました。2008年5月12日に発生した四川大地震での人民解放軍の活躍を描いたTV映画で、ちょっと調べてみたところ、人民解放軍第二砲兵部隊と中央電視台の共同制作となっていました。しかも、同年10月7日放送ということで、軍の広報に力が入っている様子がわかります。ところでこの第二砲兵部隊は、ミサイル戦略部隊で核ミサイルも保有しているそうです(Wikipedia参照)
文化戦車ってなんだろう?と思ってみていたのですが、被災者や解放軍兵士たちを慰労するために、大型スクリーンを積んだ特殊車両のことでした。このスクリーンを通じて、ニュース、被災者のインタビュー、中央政府の励ましや映画を流すのです。
瓦礫に埋まった子供を発見し、医師の呼び掛けに対して、その子が「今何時? TV番組の時間なの・・・」という会話のあとに、文化戦車がその番組を大音量で流して励ますというシーンもありました。
ドキュメンタリー映画ではなく、創作映画なのですが、所々に当時の映像が挿入されており、臨場感がありました。
おそらく事実であろうエピソードが挿入されており、解放軍の奮闘には背筋が伸びるものがありました。
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先日発生したチベット青海省の地震に対応して、このTV映画も放送されているのだと思います。
当然、連日のニュースにて現地の様子が報道されていますが、一昨日被災地入りした胡錦涛主席が、僧侶を含む被災者を励ましたり、病院で治療を受けている人の肩を抱いて励ましたり、現地救済に積極的な様子が報道されていました。
ニュースでの被災者のインタビューに、普通語(中国国内の標準語)の音声が重畳されているので、おそらくかなり方言が強い地域なのでしょう。
海抜500m程度の四川と異なり、被災地の玉樹県は3700mの高地にあり、また方言による意思疎通の難しさから、この映画よりもはるかに困難な対応が予想されます。この文化戦車も現地に搬入出来ているのかわかりません。
この地震は発生当初は被災程度の認識が低かったのですが、被害の確認が進むに連れて重要度が上がり、胡錦涛主席のほか、外遊中の閣僚は予定を切り上げて帰国しています。
被害に遭われた方々は本当にお気の毒です。
地震が発生した玉樹ではの多くの寺院が倒壊しており、その復旧には多くの時間がかかるでしょう。
以上、「文化戦車」を観て感動したのと、玉樹地震のニュースを見ていて、書いておくことにしました。