不眠のはなし(2)夏の不眠:熱中症との戦い

病理・医療,発症と療養の経緯

どうも2024年は、不眠に苦しむ年であるらしい。

春には、人工呼吸器の設定が合わずに、とうとう不眠になりました。⇒ブログ記事

夏には、連日の酷暑日で熱中症になり、あっという間に不眠になりました。

どちらも、その前には講演続きで、かなり忙しかったという状況で、過去の経験上そういうときは睡眠が浅くなりがちではありました。それでも不眠になる明確なトリガーはあったので、そのあたりを書き残しておきたい。

夏の不眠:熱中症との戦い

6月は、リアル講演・講義5回に外出5回と、結構過酷な一ヶ月でした。7月に入って一息つき始めた頃に、酷暑日が始まりました。

これが暑い!

体が動かないので寝返りが打てない私は、常に背中に熱がこもりがちです。
この防止のために、空気が流せるマットを敷いていましたが、どうも調子が悪い。そもそも流す空気の気温が高ければ、背中は冷えてはくれません。

16畳対応のエアコンが付いているリビングに隣接している私の介護室は、実はエアコンがありません(エアコン嫌い)。昼間は折戸を畳んでリビングとひと続きになっているので、エアコンの冷気の恩恵を受けられるのですが、就寝時には折戸を広げて、仕切ってしまいます。リビングには夜勤のヘルパーさんがいて、明るくしているからです。

さらに南向きの角部屋なので、介護室には西日が当たります。熱せられたコンクリートは部屋も熱くしてくれるので、夕方からエアコンがなかなか効かなくなります。

そんな諸々が重なり、夕方から夜にかけてはとにかく背中が暑い!!

「これは、どうも熱中症だな」と感じる日々が増えていきました。水分を多めに取ったり、アイスノンを首に当てたりして、症状の改善を図りましたが、どうもよく寝られない。そもそも汗をかかない体になってしまっていて、自分で体温を下げられないのです。

また睡眠薬に頼るようになりましたが、それでも夜中に覚醒してしまいます。仕方ないので薬の量を増やしたら1日中眠くなり、2時間おきに寝落ちする有り様でした。7月末頃は、熱中症と睡眠薬、不眠で体調が最悪でした。脳がやられてしまい、もうまったく何もする気が起きずに、すべてを放り投げて寝たいときに寝ていました。

それでも、並行して環境改善の工夫は続けました。まず介護室を冷やさないと始まらないので、エアコンの温度を下げて、介護室には扇風機で冷気を送風するようにしました。介護室の奥には熱い空気が貯まるので、廊下側の扉を開けて(2面を扉にしてあります)、熱い空気を逃がすこともしました。

さらに調子が悪かった空気が通るマットを、SOYOに新調しました。5万円と高額で躊躇していましたが、体調には代えられないと購入しました。SOYOは背中に敷く短いものが人気ですが、全身に敷く長いものがでていました。以前は同メーカーの「ドライブリーゼ」という製品を使っていたのですが、これがどうやらテストマーケティング製品だったようで、作りがイマイチでした。今回購入したSOYO全身版は、改良を加えた分1万円ほど価格がアップしていました。

そんなこんなで環境改善が功を奏して、少しずつ寝られるようになってきました。8月上旬から、まず睡眠薬を徐々に減らして、昼間に起きていられるような量を見つけました。8月半ばには、睡眠薬をやめても寝られるようになりました。それでもひたすら眠いので、眠いときには寝るようにしていました。脳疲労なので寝るしかないのです。

もうひとつ、睡眠を妨げる要因を解決しました。それはかかとの痛みで、2時間ほど寝ていると痛みが強くなり目覚めてしまうのです。それで目覚めると体位交換をしてもらうわけですが、安眠の妨げになっていました。健常なら自然に寝返りを打って解消するところなので、体位交換以外の解決方法を考えもしませんでした。
しかし今回、「これはいずれ褥瘡になるのでは?」と不安になり、アマゾンで「かかと 褥瘡」で検索したら、たくさんの「かかと褥瘡防止グッズ」がヒットしました。速攻で足カバータイプのものを購入したところ、かかとは痛くならずに朝までしっかり眠ることができました。

これらの施策が功を奏し、朝晩の気温が下がり始めたこともあり、8月終わりにはようやく十分な睡眠が取れるようになりました。以前と同じように、6-7時間よく寝られれば、日中に活動することができまようになってきました。それでもまだ脳疲労は残っていて、なにかに集中すると疲れて眠くなってしまいます。考えてみればもうすぐ還暦なので、老化と思えなくもないですが、もう少し回復すると思いたいところです。無理せず、すこしずつやりたいことやるべきことに取り組んでいきたいと思います。