日本-アジアの人の動きを調べてみた(2) 〜 出国日本人統計
日本とアジアの関係に関心を抱きながら数字を押さえていなかったので、今さらながら統計値を調べています。関係する方たちには当たり前のデータですが、あらためて眺めてみて新鮮な驚きが幾つかありましたので、ブログに残すことにしました。
関係省庁から統計情報が公開されているので、その経年変化を追ってみるという形で、下記3つのデータを見ています。
- 訪日外国人統計(日本政府観光局)
- 出国日本人統計(総務省)
- 海外在留邦人統計(外務省)
本エントリは、出国日本人人統計についてまとめます。
これは法務省並びに日本政府観光局(JNTO)が毎月提供している統計値ですが、ツーリズム・マーケティング研究所というところが更にデータを纏めて使いやすくしているので、こちらのデータ(日本人出国統計)を使用しました。
※日本政府観光局(JNTO):観光庁が所管する独立行政法人国際観光振興機構の通称
※ツーリズム・マーケティング研究所: JTBの100%子会社
全体傾向
さて出国日本人ですが、この10年は1600〜1800万人の間で上下しています(グラフ中の折れ線です)。2001-2年の減少は9.11テロが、2003年の大幅な減少はSARSが主な原因と思われます。2009年はリーマンショックの影響で一旦減少していますが、以後震災が発生したにもかかわらず国外に出る人が増えています。
棒グラフは、凡例に上げている各国の観光局などの統計を積み上げたものです。全世界の合計ではないのにかかわらず、合計が法務省のデータを超えているのは、出国後に複数国を訪れる人が一定数居るためでしょう。
この10年間で、年間100万人以上が訪問している国は次のとおりです。
- 韓国、中国、台湾、香港、タイ
- アメリカ、フランス、イタリア
アメリカ、フランス、イタリアの訪問者数が減少傾向にあり、反対にアジア各国は伸びています。
韓中台香ほかアジア主要国
グラフが見にくいので、アジア主要国への出国者分を抜き出してみました。全体に右肩上がりで、ほぼ各国とも増加していますね。2011年は重複ありで1200万人以上が訪れています。アジア地区への渡航が、全世界の半分を占めていると考えてよさそうです。
これらの出国者の中には、単なる旅行者の他にビジネスでの出張者も含まれているはずです。
というわけで次に、どのくらいの人が世界に出て、現地で暮らしているのかを調べて見ることにしました。