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ALS患者高野元の日常と思考と回想

ライフネット生命保険出口社長をお呼びするイベントを開催しました

   

新年を迎えてブログを書かなきゃと思いつつ、忙しさにかまけているうちに2月になってしまいました。

昨年11月に企画を決心した、『ライフネット生命出口社長と考える「これからの社会で、世代をまたがる貢献と交流はどう作り出せるのか?」』イベントを昨日2/8(金)に開催し、社会人16名、大学(院)生7名にご参加いただくことができました。その経緯と内容を残しておこうと思います。

メディアでの露出も多く、その見識の高さが知られる出口社長なのですが、堅苦しくなく気さくなお人柄そのままに、文中では「出口さん」と書いていますので、ご承知おきください。

企画のきっかけ

昨年11月に参加したあるイベントに出口さんの講演が含まれていました。その講演のお話が理路整然としているだけでなく、静かで落ち着いた語り口なのに胸を打たれました。私がこうありたいと考えてきた理想の経営をされていて、その動機には日本社会の将来に対する深い洞察と、決断が含まれていたからです。講演のあと、たまたま現地で会った友人たちと軽く飲んでいるときに、非常に興奮していたことを覚えています。

「10人以上集まればどこにでも行く」と講演の中でおっしゃっていたので、帰りの電車の中でダメモトでFacebookメッセージを送ってみたところ、「予定調整の関係で1-2月ならいいですよ」という返事がきました。ご本人から直接です。いまの私は個人で仕事をしているので、とにかく友人・知人を10名以上集めなければなりません。すかさずウォールでつぶやいてみたら、10人以上の友人が反応してくれたので、これは企画が成立するなと思い動き始めたわけです。ここまでほんの数時間でした。

企画のコンセプト

イベントの冒頭お話した開催趣旨は、次のようなものです。

  • あと10年ほどで社会にでる自分の子供達に、何を残すべきかをよく考える。
  • 現在の日本社会は少子高齢化で経済も縮小傾向で、若者の負担がますます大きくなってくる。
  • 一方で、世代が違うと学生時代・社会人経験が異なるために、ますます世代間コミュニケーションに問題を抱えるように感じている。
  • それはどういう問題なのか、そこでどういう行動をしないといけないのかを考えてみたい。

構成は、

  • 出口さんのお話:70分
  • ワールドカフェ形式で、10分×5周のセッション: 60分

というシンプルなものです。

仕事帰りに寄れる金曜の夜に設定したので少々時間が短いのですが、そこからどういう気付きが生まれるのか、参加者の皆さんに委ねる形にしたわけです。

出口さんのお話(1)

そういう企画で講演をお願いし、期待以上の内容をお持ちいただいたのですが、結論として一番大切なことを最初にお話いただきました。

(1) 仕事は国語でなく算数で話す

経営は数字・ファクト・論理が大切であり、これは算数の応用でできる。
国語で経営すると相手を慮るようになり、なかなかものごとが決まらない。

(2) 多様性(diversity)が高いほうが意思決定は早くなる

年代・性別・国籍など、一人ひとりのバックグラウンドが異なると、相手を慮るのが難しくなる。
そうなると、数字・ファクト・論理で話すしかなくなり、意思決定は早くなる。

そうなのです。『世代間の交流という課題設定自体が無意味であり、多様性の価値を大切にすべし』と指摘されたわけです。

出口さんのお話(2)

現代日本の課題の一つである少子高齢化社会については、「若い世代が引退世代を支える年金システムに限界があるという話になるが、そこに文句をいうのではなく、そこを受け入れてどうするか?を議論しないといけない」という指摘をされました。

この負担は過去と比べて多少の調整で緩和できるものではないから、それ自体の議論は無意味で、その先のことを議論しないといけないということですね。

次に国際競争力の低下についてもコメントされました。「財政出動や金融緩和はカンフル剤でしか無く、グローバル競争環境の中での構造改革を怠った結果である」という指摘です。そこで国際競争力を上げるためには何をしなければいけないか? という話になります。

『自分の頭で考えて、人と違うことをしないと勝てない。そうするには勉強するしか無い。勉強するにはどうするか?好きなことを徹底やることです。』といって挙げられた手法は三つあります。

  • たくさんの人に会う: 恥をかくことを恐れずダメモトで
  • たくさんの本を読む: 古典を丁寧に読む
  • たくさんの旅をする: 百聞は一見にしかず

こうして学んだことを多様性のあるチームで出し合うことで、発想を豊かにし、良いアイデアを生み出す源泉になる、という指摘でした。また、何ごともシンプルに考えよう、と言われていたのが印象に残りました。

ワールド・カフェ

出口さんご講演のあとは、ワールドカフェ形式で各人の気づきを口に出してもらいました。

出口さんにもご参加いただいて一人一回同席できるようにしたのですが、さすがに大人気で議論を毎回打ち切らせていただくのが心苦しかったですね。ご講演をもう少し長めにとれるとよかったのですが。

私は進行側にいたので個別の議論をあまり追えていませんが、社会人と学生がほどよく混ざり、各所で笑い声や拍手が出ていました。雰囲気作りはまずまずだったのではないでしょうか。参加者の一部の方から直接、楽しかったと言っていただいたので、主催者としてホッとしています。

場所について

今回のイベントをやるにあたっては、GARAGE AKIHARABAというシェアスペースを使わせてもらいました。運営する株式会社イノセンティブの辻井さんは、昨年知り合ってから仲良くしてもらっていて、今回も快く協力して頂きました。

GARAGE AKIHABARAには、たくさんの大学生や社会人が集まるようになっています。今回も何人かが運営を手伝ってくれました。

私が大学生の時は、こういったシェアスペースにやってきて大人と交流するとか考えたこともありませんでした。厳しい時代ではありますが、こうした経験に前向きに取り組む大学生に対しては、ちょっと羨ましい気持ちになりました。

私自身の感想

細かい不備はいろいろあったかもしれませんが、「出口さんをお呼びして、仲間とお話を伺う」というのが目的だったので、十分に達成できて満足しています。出口さん、参加者の皆さん、GARAGEの皆さんありがとうございました。

タイトルと進行が一致しないというご指摘もいただきました。出口さんの講演が明快だったので、交流する先の話をテーマにしたほうがよかったかもしれませんね。

出口さんはもうすぐ65歳になられるそうです。気さくに参加者に声をかけて挨拶をされる姿や、社会の数多くの問題に対して明確な考えを発信される姿には、学ぶ点が多いと感じます。

私は、定年という一般的なサラリーマンの縛りから開放されて、できるだけ長く働きたいと思っていますし、もう一度や二度くらい大きなチャレンジをしたいという気持ちも持っています。出口さんは私にとってロールモデルのお一人であり、これからもいろんなことを学びとりたいと思います。

最後のほうで、出口さんが「誰かに褒めて貰いたいという気持ちを手放すことが大切」というコメントをされたのですが、他人と比較せず自分の人生を進んでいこうという気持ちを新たにしました。

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