「博士と彼女のセオリー」を見てきました
※ 文中に少々ネタバレがあります。
世界で最も有名なALS患者と言ってもいい、スティーヴン・ホーキング博士の映画「博士と彼女のセオリー (原題:The Theory of Everything)を見てきました。
博士にとって最初の奥さんであるジェーン・ホーキングさんの回顧録を原作にしたものだそうです。
彼らはオックスフォード大学で出会って恋に落ちますが、まもなく博士はALSを発症します。映画はその前後の話から始まり、夫婦の闘病生活を経て、離婚に至るまでのストーリーです。
2014年のアカデミー賞では、作品賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞・作曲賞にノミネートされ、博士役のエディ・レッドメインは主演男優賞を獲得しています。
彼の演技は病気の様子をよく伝える、迫真の演技でした。
ALSは一般に余り知られることのない難病であり、映像を見て病気の苦労を理解できる人はそれほど多くないと思います。
一方、ALS患者視点から見ると、健常者がこの障害の進行をここまで表現したことに感嘆を禁じえません。博士が大学構内の石畳で躓いて転ぶシーンや、会話がだんだんと困難になっていくシーンなど、自分の進行と重ねて見ていました。
さて、現代の The Theory of Everything は、ホーキング博士の研究テーマである時間と空間の統合を指すと同時に、夫妻の生活を貫くテーマも示すものとして付けられたように思います。
彼らは3人の子供を得ながらも、過酷な闘病生活を過ごすうちに心が離れていることに気づきます。その後、別居状態にあるなかでエリザベス女王に夫婦で謁見するのがラストシーンなのですが、エジンバラ宮殿?の中庭で遊ぶ3人の子どもたちを見て、博士がジェーンさんに言うセリフが印象的でした。
Look what we have made.
すべてを創りだすのは、「愛情」というセオリーなのでしょうね。
—– 3/21 追記 ——
ホーキング博士自身が書いた自伝はこちらです。
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