西安に行ってきた(6) ~ 大雁塔・小雁塔
最終日は15時過ぎの飛行機に乗るため、空港までの時間を考えると、13時の空港行きバスに乗らなければなりません。8時には荷物を預けてホテルをチェックアウトし、大雁塔を見に出かけました。
南大街を南門まで20分ほど歩いてから、見つけた包子の店で簡単な朝食をとり、あとはタクシーを拾って大雁塔へ向かいました。寺院参観費が50元、大雁塔登費が40元と、入場料は値が張ります。
大雁塔は、唐の時代に玄奘三蔵がインドから仏教の経典を持ち帰った後に、経典や仏像を保管するために、自ら時の皇帝高宗に申し出て建立した寺院である、大慈恩寺の境内に立っています。
玄奘三蔵とは、西遊記の三蔵法師ですね。子供の頃は物語の話だと思っていましたが、実在の人物であり、こうして実際にその名前を記した建築物に触れるのは感慨深いものがあります。
また、塔の上からは市内を一望できます。歴史ある古都ですが、すでに近代建築群に呑まれていく様子が見て取れます。
現在の中国は、中国共産党が宗教を認めない立場にありますし、そもそも明時代以降は仏教が低迷してきたそうです。しかし、この大雁塔は長い歴史を持つため、文化大革命時代にも一定の保護を受けたようです。
この大雁塔は、中国人だけでなく多くの外国人も訪れています。日本では仏教寺院はきちんと僧侶がいて、日々の宗教活動の中に観光が組み込まれています。一方、こちらの環境は見事に整備されていますが、どうにも観光が優先で宗教活動はなされているようには見えませんでした。
それでも、仏様や観音様像の前では、ひざまずいて額を地面に三度こすりつける、イスラム教のような参拝をしていましたので、まだまだ民間での仏教信仰は残っているのでしょう。私も、花火のような線香を奉納(25元)し、日本風に手を合わせて拝んできました。
——
大雁塔を満喫した後は、少し離れたところにある小雁塔を見てきました。こちらは、唐の則天武后が建立した薦福寺の境内にあり、710年に建立されたものだそうです。こちらは入場時に登記するだけで無料で入場できました。(塔に上るには30元かかります)
多くの木々の中にひっそりとたたずむ小雁塔は、さしずめカンボジアのジャングルで埋もれていた仏教寺院を思い出させます。こちらは時間がなかったので、唐には登れずに周囲を散策することしかできませんでしたが、大雁塔よりも人出も少なく、落ち着いた雰囲気を楽しむことができました。
その後、帰途につくために市街中心部に戻りました。この日は天気がよかったので、鼓楼/鐘楼ともに、写真を取り直しておきました。