HTC Legend使用雑感

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5月末に書いたHTC Legendに関するエントリですが、日本では売られていないスマートフォンのため、いまだに「HTC Legend 日本語」で検索すると上位に来ます。世間の話題は iPhone4 ですが、当分手に入らないでしょうから、ときどきはLegendの話題をつづけます。

ようやく時間ができてAndroid SDKのインストールが終わりました。これで画面キャプチャが撮れるようになりましたので、Legend使用雑感を書いてみます。

なお、スペックの詳細は、HTC WorldwideのLegendのページをご参照ください。

使用雑感

(1) 端末のデザイン

先のエントリにも書きましたが、アルミ一体型の筐体と有機ディスプレイは美しく、持つ喜びを感じる端末になっていると思います。個人的には、上位機種のDesireよりも気に入ってます。
背面の一部はプラスチックゴムが使われていて、黒とエンジの二色あります。私は黒を買いましたが、女性にはエンジの方が合うかもしれません。買うときは、エンジ色の方が値段が高く、そちらばかり薦められました(中国人は赤が好きなので)。
イメージ画像(black)
イメージ画像(red)

(2) 有機ディスプレイ

サイズは3.2インチでHVGA (480 x 320)です。iPhone3G(S)は3.5インチで同じ解像度です。
画面が小さいぶん画素が小さいので、大変美しく感じますが、字はどうしても小さくなります。

Android2.1はマルチタッチUIに対応していないので、画面の拡大はいちいち画面にタッチして拡大/縮小ボタンを呼び出さないといけないので煩わしいです。

(3) HTC Sense

HTCのAndroidに搭載されている独自UIがHTC Senseです。一言で言うと、ウィジェットをベースとしたパーソナライズ画面です。私のホーム画面は下記のようになっています。日中の時計と天気ベースに、よく使うアプリが配置されています。やはりEvernoteは手放せないので、ホームに設定しています。

スクリーンは左右にスライドし、好みの形態でウィジェットを配置できます。これらのウィジェットは、ソーシャルサービスのリアルタイムコメント、RSS配信を含め様々なモノが用意されています。Webのパーソナライズページみたいなモノですが、iPhoneを含めても使い勝手はすばらしいと感じてます。

ただ、現状中国国内ではTwitter, facebookにアクセスできないので、このUIを堪能できないのが残念です。昨年のHTCのプレゼン動画で、特徴を上手に説明しています。

(4) カメラ、ほか

カメラは500万画素です。ときどき写真付きメモに使ってますが、動画撮影も可能です。撮影した画像は、microSDカードに保存されます。端末仕様では、SDカードの上限は32GBとなっていますが、外部記憶を交換できるというのはiPhoneにないメリットですね。また32GBは高いので、私は少しだけ奮発して4GBのmicroSDを使用しています。

また、画面の下にホームボタン兼トラックボールがあります。ある時はカメラのシャッターボタンに、ある時は画面スクロールに、とよく考えられていますが、iPhoneに慣れてしまっているので、今ひとつ使いこなせません。

(5) 日本語表示

HTCは世界中に展開していますが、このページをざっと見てみると、Legendは日本とアメリカ(!)、中南米では販売されていないようです。そんなことはお構いなしに、実は購入時には、日本語が使えなくてもいいやと割り切っていました(英語表示なら何とかなる)。

しかし、いろいろいじってみると、そこはオープン規格のAndroidですから、「すべての地域/言語」というアプリがありました(MoreLocaleというアプリと同じかどうかは未確認です)。これで日本語を選択するだけで、ほぼ問題なく日本語が表示されるようになりました。ただ、フォントの一部が簡体字で出てきます。こちらは、Web上で、「日本語フォントのインストール」について説明したページがありましたので、そのうちやろうと思ってます。


Webブラウザ(DolphinBrowserHDというタブブラウザをインストールしています)でも、日本語表示されているのがわかると思います。ちなみにこのDolphinBrowserは、マルチタッチUIで拡大ができ、レイアウトも画面幅に収まるように修正してくれるので、大変便利です。


(6) 日本語入力

表示ができるならIMEもあるはず、とアンドロイドマーケットを調べてみると、OpenWnnと、そのUI拡張Shimejiというアプリがありまして、早速これを入れました。20年前にUNIX上でWnnを使っていたので、ちょっと感慨深いものがあります。テキスト入力欄を長押ししていると、英・中・日のIME切り替えができるようになっています。入力環境については、個人的にはiPhoneと大差ないと感じてます。


(7) アプリケーション

アンドロイド・マーケットから、いろんなアプリをダウンロードできるようになってはいますが、アプリの名前がわからないと、一体何をどうして探せば良いのか分かりません。iTunesもマーケティング指向のUIなので同じ問題はありますが、Androidは、いまだ中途半端なディレクトリしかなかった昔のインターネットのような状況と感じます。

Androidアプリを紹介するサイトが増えて来たので、もっぱらこれを頼ることになりますが、仕事改善系のアプリやエンタメ系のアプリはまだまだ試せていません。とりあえずわかったのは、Appleが厳しくフィルタリングしている、グラビア系のアプリが、普通にたくさんマーケットに出ていることでしょうか。

(8) 音楽・ビデオ

実は、これについてはまだよくわかっていません。microSDにmp3ファイルを入れておくと、再生はできるのですが、iTunesでできるような整理・編集のツールが無いので、何かしようという気にならないのです。情報不足だと思うので、こちらもこれから調べていくつもりです。

おわりに

全体的にHTC Legendはけっこう気に入ってます。そうは言っても、どちらを選ぶかと言えばiPhoneですが、HTC SenseみたいなUIは欲しいですね。Android端末のひとつというより「世界にはこういうセンスの良い端末があるんだよ」ということで、日本でもっと知られてもいいスマートフォンだと思います。

HTCは、2008年にサンフランシスコのデザイン会社One&coを買収しており、それまでのOEM製造路線から独自製品開発に舵を切ったという経緯があります。

さて、LegendというAndroid携帯を1ヶ月ほど触ってみて、Androidアプリに関してはとても気になっていることがあります。それはセキュリティです。

iAppは、Appleの審査を通過しないとiTunesに掲載されません。逆に言うと、アプリの安全性はAppleがしっかり管理してくれています(逆にこれが囲い込み批判にもつながっている訳ですが)。

Andeoidアプリをインストールする際に、「XXXにアクセスする可能性があります」という警告がたくさん出るのですが、セキュリティは端末所有者の自己責任になってしまいます。そのうち、悪意のあるアプリが、あらゆるプライバシー情報を活用したとんでもない事件を起こすに違いないありません。(たとえば、電話帳に載っている人すべてに、連続して電話を掛けまくるとか。回線パンクしちゃいますね。)

まだ勉強不足なので間違った認識であればよいのですが、早急にWindowsが必要としたような、セキュリティ対策の公的・私的機関の設立が必要ではないかなと考えています。

今日の本題は、HTC Legendけっこういいですよ、という話ですのでこの辺で終わりにしておきます。